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マーケティングの神話7選を認定する。理由も解説していこう。そして現実解を説明する。

神話とは、神っているの?神の逸話は本当なの? みたいな話です。

あるかもしれないけど、ないかもしれない。でもたぶんない。いやありえるのか。というマーケティングにまつわる神話を7つ選びました。

1. オートメーション

これは、どこかの誰かが勝手にマーケティングを自動化してくれるという事はないので神話認定です。

シナリオに沿ってマーケティング施策を半自動で動かすはあると思いますが、シナリオも常にメンテナンスが必要なので、実質的に工数はかなりかかりますよね。

しかもシナリオの難しさは、ミスした時に逆イノベーションが起きる事。

逆イノベーションとは、積み上げてきた事、やってきた事を全部無視して、無慈悲に最初から全部やり直しという意味です。たぶんこれを何回も繰り返さないと本当に効果を発揮するシナリオには辿りつかないと思います。

マーケティングにおけるシナリオとは、大掛かりなプログラムを1つ構築するくらいのノウハウと工数が必要です。神話まではいかないけど、運用をちゃんとするとなると、それだけ難易度が高いものと考えておくといいでしょう。

現実解はオートメーションではなく、シナリオとして運用する

2. インサイドセールスにおけるヒアリング

これは、プレイヤーの異常に高いスキルが必要で、できる人が相当限られるので神話認定です。

まず前提として、電話は、身振り手振り表情をつかったコミュニケーション術が使えないので対面より対話スキルが必要です。

次の前提として、ヒアリングってかなりうまくやらないと、電話をかける側の都合になってしまうんですよね。

あなたの課題とニーズを知って、私が助けになりたい。

これがお互いの立ち位置として、あるべきポジションだと思うのですが、

あなたの課題とニーズで、リードデータを充実させるのが私の仕事なんです。

という電話を受ける側からすると、メリットが何もない状況が生まれがちです。

この状況を回避していくには、熟練した経験が必要です。

顔を合わせたことがない状態で、かつ対面より難易度の高い電話のコミュニケーションスキルをチームで展開するのはめちゃ難易度が高いですよね。

現実解は、聞くのではなく、当てにいくが正解ですね。

そこで現実解としては、課題を聞くというスタンスではなく、今入手できているデータから、あらかじめ課題の仮説を立てておいて、そこを当てにいく考え方ですね。

この方法であればテレマーケティングの延長線上で実施できるので汎用的にチーム展開できます。

私は営業上のプッシュが悪とは思ってないんですよね。ただ先方の求めている要件とずれている。こちらの都合ばかり押し付けるから悪になる。

なのでデータドリブンの考え方を取り入れるだけで、ただのテレアポからインサイドセールスに進化できると思っています。MA連携でデータサイエンティストなどアサインできると、なお可能性が広がりますね。

3. MAのポイントスコアリング

いわずもがなマーケティングオートメーションのコア機能で、受注見込みのランクを自動でポイント化する機能ですね。シナリオの話と概念は同じですが、さらに超絶難易度が高いので神話認定です。

正直、運用に成功している企業に出会った事がないくらい。

前提として、オンラインだろうが、オフラインだろうが、受注に必要な情報で取得できているトラッキングなんて本当微々たるもの。その少ない情報量で受注見込みを自動でポイント化するというのは傲慢かなと思っています。

取締役会、ブロジェクト会議、マネージャ会議、部署会議、顧客の中で起こるこれらがすべてトラッキングできるのなら、高精度の高いスコアリングができるでしょうが、未来永劫ありえないですね。

現実解は、ポイントを受注見込みランクではなく、アプローチタイミングとして活用する。インサイドセールスと組み合わせで運用する。

Webサイトの導線や、資料ダウンロード、見積もり依頼、お問い合わせ、イベントなどオフラインでの接点情報。

これをシンプルな組み合わせでシナリオ化してポイントに落とし込む。ポイントを受注見込みランクというよりは、アプローチタイミングのフラグとして活用する。

インサイドセールスと組み合わせる事でワークさせられますね。

4. 0円集客

広告宣伝費は発生してなくても人件費が発生するから神話認定です。

もっというと広告宣伝費がかからない分、労力と時間をめちゃめちゃ使うケースが多い。Twitter運用とかわかりやすいですよね。0円ですけど。。という感じだと思います。手軽に0円で集客はできないので神話認定です。

個人的な考え方ですが、

広告効果100を出そうと考えると、ノウハウがなければ100をお金で買わなければいけないし、ノウハウが少しあれば50をお金で買う。”ノウハウがめちゃあればお金0”でいけるみたいな考え方を持っています。

で、それには続きがあって、”ノウハウがめちゃあればお金0” は200で売っているというイメージです。

ノウハウを持っていない企業は、どのみちお金はかかるんです。100を買うか、200を買うか、自社でノウハウをつけようと思ったらそれ以上の労力と時間がかかります。

よって0円で集客はできないんですよね。

現実解は、集客には予算をしっかりかける。他社のやり方を、まずはそのままトレースしてみるのが入り方としてはおすすめです。

5. 仮説積み上がりすぎKPI

仮説は1つまでなので神話認定です(強引)。

仮説がうまくいった仮定で、次の仮説がたっている時点でKPIとしては形骸化、破綻していますね。現実では結構よくありますよね。

まず前提として、仮説は積み上げるというより、並列に並べて同時に試す感じが良いかなと思っています。ゴールから逆算してKPIを数値化していくとミスると思います。

例えばよくある例で、

このマーケティング施策でリードを100獲得する。100獲得したリードのうち50をアポイントとる。50アポの20を案件化する。20案件の10を受注する。みたいなドリルダウン式のKPIがあったとします。

もう何年も同じ商材をやっていて、受注率などデータが十分とれている上で、このKPIならワークすると思います。

ただ新規の商材で、最初の仮説である”マーケティング施策でリードを100獲得する”も不安定な場合は、その上にKPIを積み上げると破綻しますよね。

現実解は、KPI数値とビジョンのハイブリット

まずは、 ”マーケティング施策でリードを100獲得する”にだけKPIの数値をつけます。その先はビジョンに沿った行動で管理するのが良いかなと思っています。ここの説明は後回しにします。

で、”マーケティング施策でリードを100獲得する” をできるだけ分割して並列で並べます。

しかもポイントは足して100ではなく、それぞれ100が理想です。最低でも200か300くらいの数字になるくらいまで、リソースもある程度集中的に投下したいところです。

”マーケティング施策でリードを100獲得する”を並列に並べる

・今まで通りの”マーケティング施策でリードを100獲得する”。

プラスして

・社内の人脈フル活用でリードを100獲得する。

・アウトソースしてリードを100獲得する。

etc みたいな感じで、なりふり構わず資源をフル動員します。

で、少し余したリソースで、獲得できたリードの質が正しいかどうかの検証をしていきます。これは数値としてのKPIというよりは、もっと感覚寄りでよくて、

事業ビジョン通りの反応か?たくさん売れそうか?課題は?

みたいに、テスト商談と感想をセットにした行動量と感覚値をしっかり抑えたい。これで獲得リードがよかったのかどうかも検証できるので、”マーケティング施策でリードを100獲得する”のKPIが達成されたら、次のKPIを積みにいっても安パイです。

こんな感じで、1つずつ受注に至るまでのドリルダウンを完成させていって、受注までのKPIが再設置できれば、精度は段違いです。あとは回転量を出すだけになるので判断もしやすくなります。

現密にいうと、現実解はKPI数値と、行動目標、ビジョンのハイブリット

6. 海外の実例**

文化の前提が違うので神話認定です(強引)。

では文化の前提とは何なのか。

少し話が逸れますが日本という国を少し考えてみます。

日本ってローカルマーケットでは世界最大説があって、同じ国で、同じ民族、同じ言語だけで運用できているのって世界的にレアなんですよね。というか、これだけのサイズは世界で日本だけです。

なので、そういう意味だと実はマーケットサイズが大きいんですよね。だから海外に出て行かなくても国内マーケットだけでほとんどの事業が成立してしまう。

こういうところがガラパゴス化しやすい背景なんでしょうね。

そう考えると、似たような国ってあまりなくて、海外の事例をトレースしづらい国なんだろうなあと思っています。

こういう状況化でも、国内のマーケットは後回しで、グローバルファーストの大企業とか、めちゃ視座の高い企業であれば参考になる事例もあるのかもしれません。私、そこあまり詳しくないので他の人にお任せします!

もっと話逸れますけども、

テクノロジーの普及って、物理的な距離とか国土の広さみたいな要素とか、不便とか、やらざるを得ないみたいな状況がめちゃ重要だなあと思っています。

物理的に行けないから電話、メール、チャット、テレビ会議が普及する。良かれ悪かれ、今のコロナウィルスの状況もそうですよね。

ニューヨーク(他の国でもよくみるけど)でおばあちゃんとか、おじいちゃんがめちゃスマホ使いこなしていて、日本の高齢者とはリテラシー差がめちゃあるなと思ったんですよね。

これって意識高いとかじゃなく、日本みたいにご近所さんがいるわけでもなく、アメリカ自体が物理的な距離がめちゃあって、自己責任の国だから何かあってもすぐに助けにきてはくれない。

不便だからテクノロジーを使いこなすのが生きる術というか、ライフラインなんだなあと思った記憶があります(もはや全然違う話になった)。

話を戻します。最後の神話です。

7. カンファレンスとかの綺麗な話

カンファレンスとかの話は、成功例ですよね。

それってここまで書いてきたような事を、尋常ではない数を試してきて、カンファレンスで話をしているので、前提がだいぶ違うんですよね。レベル50のことをレベル5の人が聞いて、そのまま実施しても、まずやり方はトレースできないですよね。

これは、偉い人とか巨匠的な人がしている話も同じで、視座が少し違うので参考までに程度で話を聞いておくのが良いかなあと思ってます。

なので結果あまり参考にならないんですよね。

私も何度か、そういう場でお話させてもらった事がありまして、その視点でもう一点ぶちまけると、本質的なものは入り組んでいて複雑でわかりずらいんですよね。

ただ、大人数に話をするには理解してもらえる話をする必要があります。

そうなると、効果的とか効率的な視点よりも、わかりやすさファーストになります。すなわち、わかりやすくストーリー化をして話をする事になりますので、それをそのまま自分事にしてしまうと少し違うかなと思ってます。

じゃあどうするか?

これは逆に失敗例を聞くのが一番良いと思います。

成功例は上記の理由で再現しずらいですが、失敗例はかなりの確率で再現できますので、それをやらないという選択ができるようになります。この情報はかなり使えるので仕入れておくととても役に立つと思います。

現実解は、成功例よりも失敗例にアンテナを張る

書いてみると、4500文字を超える意外に大作になってしまった。

マーケティング神話をお届けしました!神の現場からは以上です!

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