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先日、ソニーが63年ぶりに社名変更することが発表しました。

この記事のまとめ

この記事を簡単にまとめてみると、ソニーは創業以来、画期的な製品を世に送り出してきて、それは、当時の松下、東芝などの家電他社とは企業イメージで一線を画してきた「ソニーらしさ」があった。

その「ソニーらしさ」は、二人の創業者である井深大、盛田昭夫の創業の精神でもあったと言うこと。

その「ソニーらしさ」が無くなってしまって大赤字にしてしまったのは、当時のCEO出井伸之氏であり、出井氏はその赤字の責任をとって辞任したものの、後継に指名したのは米国放送ジャーナリスト出身のハワード・ストリンガー氏で、これがソニー凋落の傷を一層深くした完全なミスキャストだったと。

そう言う意味では、出井氏によってソニーは20年を失ったわけです。

で、出井・ストリンガー時代の長期低迷からの脱却を委ねられ2012年に社長就任した平井一夫氏は、エレキ出身ではなく、音楽とゲーム分野出身なので力不足との下馬評でしたが、関連会社社長として功のあった現CEOの吉田氏を本社に戻しCFOに据えたことで、道が開けたそうです。

様々な取り組みがあったと思いますが、結果的には選択と集中をすることで2018年3月期には20年ぶりに営業利益過去最高を記録しました。

で、今のCEOは吉田氏で、吉田氏がCFO時代に直接指示を下した犬型ロボットAIBO開発の復活、ソニー初の自動運転EV(電気自動車)披露など、「ソニーらしさ」の復権を感じさせる動きになってきたと言うのです。

僕は「ソニーらしさ」が好きで、失われた20年の間もソニー復活を信じてソニー商品を買ってきたので、とっても嬉しいのが個人の感想です。

もちろんトップが重要

この記事を読むと、端的に言えば、創業者の井深・盛田が「ソニーらしさ」を創って躍進し、出井・ストリンガーが「ソニーらしさ」をぶち壊し、「平井・吉田」が「ソニーらしさ」を復活させたと言うことなので、トップに目を向ければ、トップの考え方や行動が、企業を悪くすることもできるし、良くもできるのでとっても経営トップの考え方や行動が重要だと言うことがわかります。


「ソニーらしさ」と言う組織文化は死んでいなかった

以下の投稿でも書いていますが、組織文化というのは組織のメンバーが共通的に保有している価値観です。


ソニーで言えば「ソニーらしさ」という価値観だと思います。ソニーのサイトにはこのように書いてあります。

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この存在意義(Purpose)と価値観(Values)は、もしかしたら、出井・ストリンガー時代にも掲げてあったかもしれませんし、「平井・吉田」時代になってから策定されたのかもしれません。

ちなみに、創業者のひとりである井深 大氏が起草した「東京通信工業株式会社設立趣意書」には以下のように書かれています。

真面目ナル技術者ノ技能ヲ最高度ニ発揮セシムベキ
自由闊達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設

僕は、この記事を読んで、この価値観が好きな社員は、出井・ストリンガーがもたらした「失われた20年」にも居続けていたと思ったのです。

実は、ソニーでは1997年から2014年までの17年間で約78,000人という人員整理をしています。

ソニーの歴代最高経営責任者は、ソニーのホームページをみると以下のようになっています。

・大賀典雄         1989年〜1999年
・出井伸之          1999年〜2005年
・ハワード・ストリンガー   2005年〜2012年
・平井一夫          2012年〜2018年
・吉田憲一郎         2018年〜現在

大賀氏からバトンを引き継いだ出井氏の2年目からハワード・ストリンガー氏から引き継いだ平井氏が2年後まで人員整理されているんですね。

前述した記事にもあるように確かに出井・ストリンガー時代はソニーにとっては暗黒の時代だったのかもしれません。

でも、そんなソニーに呆れて辞めた社員もいたけど、そんなソニーでも呆れずに頑張って「ソニーらしさ」を維持したい社員もいたのではないかと思ったのです。

経営トップがイマイチでも、社員の「ソニーらしさ」への気持ちが、奥深いところに生きていたのではないかと思ったのです。

なので、ソニーは復活できたのではないかと思ったのです。

本当にほとんどの社員が「ソニーらしさ」を失っていたら、いくら平井・吉田体制でもそんなに簡単に変えられなかったと思うのです。

いや、簡単ではなく、平井・吉田体制では「ソニーらしさ」に拘って、とーーーーーーーーーーーーっても多くの取り組みをしたのだと容易に想像できますし、とーーーーーーーっても苦労されたんだと思います。


企業文化は簡単には死なない

今回のソニーの記事を読んでみて、本当にソニーが復活して良かったと思いますし、「ソニーらしさ」という企業文化が残っていて良かったと思います。

人が創り出す組織文化は、そんな簡単には無くならないのだと確信したことでもありました。


企業文化は簡単には創れない

でも、そんな簡単に無くならないものは、そんな簡単に創れるものでもないとも言えます。

会社や組織の存在意義、ミッション、バリュー、ビジョンを創ること自体は難しいことではありません。

でも、それを文化にまで染み込ませる、DNAに植え付けることはとっても大変なことです。

でも、それができれば、何年も生き続ける会社になれるのだとも思うのです。

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