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「産業」のこれから/第1回

みなさん、こんにちは。
「産業のこれから」を担当するファシリテーターの矢作と倉田です。                    スキーシーズンを目前に、山の様子常に気にしてしまいます。(矢作)

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11月10日開催のテーマ⑤「産業のこれから」のグループで議論が行われました。
企業向けコンサルタントの方や観光コンテンツの企画に携わる方、大阪のテレビ局勤務の方等多彩な分野でご活躍されている方にご参加いただきました。

今回のテーマ議論の問いはズバリ!
「コロナ下で信州の産業はどのように変化したか」です。

この問いかけをもとに、参加者の皆さんと意見を交わした内容を、大きく4つにまとめてみました。

量から質へと変化していく産業

● 観光業は大打撃を受けたものの、乗鞍や上高地のような自然環境を武器にしている観光地はコロナ下では需要は増えていくのではないか。夏や秋の集中的な利用ではなく、年間を通して平準化された集客になる戦略を考える必要があるだろう。
● オンライン会議の普及により、仕事の効率化に繋がった。
● これまでの長野県の観光は大量生産・大量消費スタイルだった。それが通用しづらくなり、個人をターゲットにした、好きな人に「より」響くものごとを提供するようになった(「誰もが楽しめる」から「好きな人がより楽しめる観光」へ変化)
● ただ何かを体験するだけでなく、「ひとに会いに行く」ことの価値が高まった。他の地域から人を呼び込むには、その人との繋がりの価値を高める必要がある。
地産地消という意味でも観光という意味でも近くの繋がりを大切にするようになった。

内と外の繋がりをどう考えるか

地域内外の繋がりを活性化させることが必要。
● 外からの繋がりを作るには、まずその地域を知ってもらい、ダイレクトメッセージを送ってもらえるような関係性を構築できる情報発信というものが大事なのでは。
● 地域の人が、外の人に向けて、地域の良さ・地域の生の声を発信してみる。これがその地域の価値に繋がっていくんじゃないかと思う。
● 地域内で困っていないからこそ、情報発信をしないということもある。
● BtoB領域で企業同士がその地域内で支え合える関係が作れると、わざわざ都会の企業に仕事を頼らずに、地域経済が回っていく仕組みが作れる。
● 今後は企業間の受発注という関係性から企業同士の一緒に作っていく=コラボレーションが大事になっていくんじゃないか。そのうえで、自分(たち)が何をやりたいかという情報発信をしていくとそういうコラボに繋がっていくんだと思う。そのための場づくりもやっていかなきゃならない。
● 「カネ」も「人」も地域内循環をどうやっていくかが重要。

考え続けていくことの大切さ

● 変化についていくための対策ができていた事業者は現在も打撃が少ない。変化を嫌う人にとって今はかなり厳しい時代で、変化に対応しようとする人と変化を嫌う人とで差ができてしまっている。その差は業界というより人による部分も大きい。
● リピーターの多い宿の中には、前回の宿泊時とは違う新しい部分を発見して楽しむことができる要素を作るなど、日々の工夫をコロナ前からもともとやっていた。常に考え続け、対応していくことが、変化が起きた時への予防になる。

生き残るための戦略(ターゲットを絞る、リピーターを作る、負けない強みを作る)

● 打撃の少なかった観光事業者の中には、自分たちのコンテンツがどんな人たちに需要があるかを考え、ターゲットを絞ってサービスを展開していた。ボリュームを追わず、高品質で単価を上げ、少数向けへのサービスというのがポイントになっている。
● 宿泊施設でも、もともとリピーターが多い宿があり、そこはコロナ下でも黒字になっていた。
● プロモーションの仕方として、みんなに受け入れられるようなものではないが、限られた人が行きたいと思う場所として絶対に負けないというものを作ること。大規模な集客を追わず、ターゲットを絞ること、これらがポイントとして大事。


★会議のポイント

観光産業や飲食のダメージは大きいが、その状況からこれまで取れてこなかった家族との時間が取れているなどの副産物も多い。
続く状況をつくるために考え続けることが必要。
大規模を追わない、ターゲットを絞るなど、負けない強みを持つことが生き残り戦略上大切になってきている。
マスを追う動きから望むマーケットにダイレクトにアプローチすることも大切。
(コメント:総合ファシリテーター 瀧内貫)

総合ファシリテーターによる 第1回の全体まとめはこちらから

〈信州これから会議 ご意見募集〉
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【第1回のワークショップを終えて】

倉田

倉田 早希長野県 企画振興部 総合政策課 統計室
なかなかみなさんが盛り上がるような進行ができず申し訳なかったのですが、実際に観光業に携わる方や、様々な業種の生の声を聞いている方など、普段関わりのない方たちの考えを聞ける貴重な機会でした。ありがとうございました。

矢作 産業

矢作 郁瑠長野県長野地域振興局林務課
ファシリテーター力が著しく低く、キラーパスばかり出してしまいましたが、みなさま完璧に受け止め、感覚的に感じていたことを言語化してくださいました。また、様々なルーツの方から、自分では発想が及びもしないアイデアをお聞きできてとても刺激的でした。

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