妻に才能を見抜かれた男、淳于髠

古代中国に淳于髠(じゅんうこん)という人物が。大国の趙に援軍を頼んでまいれ、と王に命じられた時、大笑いした。王が理由を尋ねると、「いや、思い出し笑いです。今日の道中で、豚の足と一杯の酒だけで、蔵一杯の大豊作になりますように、と。供物の粗末さの割に願いは大き過ぎるのを思い出して、つい」

王はそれを聞いて、趙への土産を10倍に増やし、淳于髠は見事使命を果たした、というエピソードがある。
淳于髠は面白いエピソードの多い人だけど、出世するきっかけの話が大変興味深い。淳于髠は顔が醜すぎて、奴隷にされてしまった。奴隷の女性が淳于髠と結婚するように主人に命じられた。

女性は自分が美しいと思っていたので、鼻の穴が上を向き、目の大きさが異なる淳于髠の風貌を見てがっかりした。すると淳于髠はその気持ちを見抜き、「主人の命令には逆らえない、我慢してくれ」と。女性は心を読まれてびっくりした。

この人との間に生まれる子供は、やはり醜くなるのだろうかと女性が心配していると、「お前はきれいだから子どもが醜くなる心配はない」と心を読み、またもや女性はびっくり。女性は、「あなたのその読心術は才能。それを生かせば奴隷から抜け出せるかも」。

事実、その読心術を奴隷主ではなく、地位の高い人たちにかける言葉に応用したところ、瞬く間に奴隷の身分から抜け出し、ついには斉の威王の側近にまで登りつめた。
淳于髠は妻と出会うまで自分の才能に気づいていなかった。妻がそれを見出し、生かすように勧めなければ、淳于髠は世に現れなかった。

で、なんで淳于髠の話をしたかというと。私はこの淳于髠という人物が大好きなのに、毎度名前を忘れて、やはり奴隷に落ちたことがある百里奚とこんがらがるので、備忘録代わりに自分のために呟こう、とした次第。つまり意味なし。
また淳于髠について、きちんとつぶやきます。

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