明照幼稚園での講演

今日は東京の明照幼稚園で講演。なんと開園百周年記念だとか。いいのか農業研究者の私で!と思いつつ。

講演終了。五十人くらいの保護者の方々に向けて、とりとめのない話を思いつくまま1時間超させて頂いた。
講演後、サインを求められて(私は字が汚いんですけど・・・)、私のツイッターやFacebookをみてるという保護者の方々がいて驚き。本も読んでくださってる人も複数いて。私は何屋さんだろう。

「驚くのは難しい」というご質問を頂いた。絵を子どもが持ってきて、「いいねえ」と驚いて見せても見えすいた世辞に思われてしまいかねない。どうすれば?というご質問。
私は、オランダで教師をしてる方から聞いた話を紹介した。子どもが絵を持ってきたら「君の一番気に入ってるのはどこ?」

「君が一番苦労したところはどこかな?」「今回一番工夫したところは?」と尋ねるという。すると、子どもは一所懸命に説明してくれる。どこに苦労したか、どこに力を入れたか、どこに工夫を凝らしたか。そのとき大人は「ほうほう、なるほど!」と感心する形で驚けばよい。

人間にはテレパシーがあるわけではないのだから、いくら観察していても子どもが内面で努力したこと、工夫したことがわかるわけではない。だから、問いかけ、答えてもらえばよいように思う、と答えた。
あと、「驚く必要はないですよ、差分にさえ気づけば」ともアドバイスさせて頂いた。

子どもが昨日と今日、何が変化したのか、その差に気がつく。そうした「差分に気づく」と、子どもは僕を、私を見てくれている、とわかる。それが嬉しくなる。差分に気づくだけで、驚くのと同じ効果かある。だから、驚くのに難しいと思ったら、差分を探し、見つけたらそれに気がついたことを伝えるだけで

十分だとお伝えした。
別の親御さんは、私が以前ツイッターでつぶやいた星に感動した親子の話(note.com/shinshinohara/…)に感激して、ふるさとの福島で親子で星を眺めた、と教えてくれた。
ああ、こうしてこの世界の美しさ、面白さに子どもが気づいてくれたらいいなあ、と思った。

講演会には、六百年近く続く狂言師宗家の方も参加しておられてびっくり。東京の歴史ある幼稚園だと、こういうことがあるんだなあ。

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