親は見本とならねばならない?・・・トンビがタカを生む方法

(親が立派な見本を見せなければ、という意見に対し)
大変立派なお考えだと思うのですが、それだと親の劣化コピーにしかならないと思います。親が見本を見せなければ子どもは真似しようとしないのなら、どれだけきれいにコピーができても、コピーはコピー。原本よりも見劣りのするものになってしまいます。

私は若い頃から、「トンビがタカを生むにはどうしたらいいのだろう?」と考えてきました。その結果、たどり着いたのは「驚き、感心する」でした。子どもが何かに挑戦したり、発見したり、工夫したりしたら「よく挑戦したね!」「よく発見できたね!」「面白い工夫だね!」と驚き、感心する。

すると子どもは、次も挑戦し、発見し、工夫しようとします。それに次々驚き、感心すると、またしても驚かそうとします。「親はこんなのんびり屋なのに、よくもまあ、そんなに挑戦し、発見し、工夫し続けるねえ」と感心すると、子どもはとてものびのびと、新たな挑戦を続けるようです。

尋常小学校、あるいは中学校までしか出ていないという「自分は無学だ」という親御さんがいたのですが、お子さんは旧帝大に入学、社会人としても活躍していました。お子さんは、両親に深く感謝し、そして尊敬していました。でも、ご両親は別に勉強するのでも本を読むのでもなかったそうです。

ご両親は、子どもが挑戦し、発見し、工夫し、成長する毎日に驚き、感心していたそうです。その結果、そのお子さんは、学ぶこと、成長することがとても楽しくなり、能動的に勉学に励むことになったそうです。そのご両親は「トンビがタカを生んだ」と喜んでおられました。

親が見本を見せなければ、と気負う必要はないのだと思います。むしろそれをしようとすると、「私はこれだけ頑張っているのに、子どものお前のその体たらくはなんだ!」と子どもを責め、逆に自分の頑張りを子どもに認めてもらおうという承認欲求が生まれかねません。これでは立場が逆。

むしろ、子どもに見本を見せてもらい、そのつど驚き、感心し、「誰の子や?」と、両親が互いに不思議がり、楽しんでいれば、その子はぐんぐん成長するのだと思います。親が変に肩ひじ張るより、子どもの挑戦、発見、工夫に驚き、感心してみてください。

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