日常をゲーム化する

子ども(幼児)が歯磨きしようとしない、着替えようとしない、とお嘆きの声を頂いた。これはうちでも苦労したし、どこの家でも苦労されていることと思う。Eテレ「すくすく子育て」という番組では、様々な育児上の工夫が紹介されてるから、ご覧になることをオススメ。で、そうした工夫の共通点は。

「楽しいこと」に変えている。うちでは、娘がなかなか着替えようとしなかったのだけど、それに対して一計を案じた。「まだ娘ちゃんはお着替えが難しい」という「思枠」を採用。
「どこに頭を通せばいいか、わかるかなあ?まだ難しいかなあ」というと、上手に頭を通して驚かそうとする。

「うわ!頭が通った!いやでも、袖を通すのは難しいよ。できるかなあ」というと、「ほら!」と言って、ちゃんと通してみせて驚かそうとする。私は「わ!袖を通せた!やるやん!でもズボンは難しいよね。転ばずに足を入れられるかなあ」というと、「できるよ!」と言って足を入れてくれる。

「君にこの課題はまだ難しいかもしれない」という感じで課題を示すと、子どもは俄然やる気を出す。その課題をクリアすれば親が驚くという構造に気がつくから。実際に達成してみると、親が驚く。するとしてやったりという顔になる。一種のゲームに変わる。

子どもをとある行動に仕向けたければ、「それはまだ君には早いかもしれない、難しいかもしれない」と、親が考えているということを伝えるとよい。すると子どもは「できる!」と言ってやろうとする。やり遂げたときに驚くと、子どもは得意げな顔をする。

成長するに従って、難度を少しずつ上げるとよいかもしれない。「さあ、今日は何秒で着替えられるかな?」とか。今までの自分より成長できた、と感じられるようにデザインすると、子どもはゲームをクリアする気分で乗ってくる。

なぜテレビゲームに子どもたちがのめり込むのか、そのデザインを参考にするとよいように思う。少し自分には難しいレベル、でも頑張ればクリアできるかもしれないレベル。そうしたデザインだと、子どもは飽くなき挑戦を続ける。ならば日常も、ゲームと同じ環境デザインをすればよいように思う。

普段から観察しておき、子どもの発達水準をわきまえておく。そして、それはできることがわかってはいるけれど、やる気を出さなければできないような水準を示し、「できるかな?いやまだでも難しいかな?」と、ハードルを示すと、それならできると踏んだ子どもは、「できるよ!」と能動的になる。

そのハードルを超えて見せたとき、親が「あれま、できたわ!驚いた!」と驚くと、子どもはしたり顔。常に子どもの成長の、少し下のハードルを示し、子どもがその気にならなければいけないような形にすると、子どもは挑戦してみせ、こちらを驚かそうとする。

・子どもに少し難しい、やればできるかもしれないハードルを示す。
・まだ難しいかな?と伝えることでできなくても気に病まないでよい、と伝えておく。
・子どもがやる気を見せ、成功したら、驚いてみせる。
・子どもがそれをあたり前にできるようになったら、時間を競うなど、少しハードルを上げる。

そうして、何事もゲームとしてデザインすると、子どもは楽しく取り組めるように思う。日常生活をゲームだらけにするとよい。テレビゲームだけにゲームの役割を与えるのはつまらない。

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