牛乳とエサの関係

みなもっちサンシャインさん(@minamocchi39393)から、酪農とエサの関係を教えていただきました。端的でわかりやすいので、承諾を得てこちらにまとめさせて頂きます。
以下。

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こんにちは。この元の記事(https://cigs.canon/article/20230217_7279.html?fbclid=IwAR3290EUgYenzmEW5AVdm-8HOMbT0tLqMWA7w4UxTd6sW6NgXeo7W4xOQk8)の一番の違和感は、「トウモロコシを輸入しなくても牧草を食む牛はいなくならない」です。

日本は北海道などのよほど広大な土地がある地域以外は、チモシーやアルファルファなどの乾草を輸入に頼っています。放牧するといっても、一度草を食べたあとまた生えるまでに時間がかかるし、狭い土地だと牛の糞尿は発酵せずそのままでは肥料にはならないからむしろ土地が荒れてしまう。

だから、日本の放牧場は、ほとんどが牧草を食むためではなく運動不足解消のためにあると教わりました。まず、牛が生命維持するための草が日本はそもそも足りてないんです。

次に、なぜ穀物をそれだけ大量に食べさせるかといえば、乳業メーカー側が牛乳の乳脂肪の量で買い取り価格を変えているから。搾った牛乳の量ではなく、成分で買い取りがされる。つまり、草だけ食べる牛→乳脂肪少ない→安い(以前いた地域では基準を下回ると罰金があと聞いた)
https://twitter.com/minamocchi39393/status/1628151543303397376?s=20

そして、この「乳脂肪の高い牛乳を出そうとする」とどうなるか。乳腺が詰まって乳房炎(人間でいう乳腺炎)になる。それを抗生物質で治療している間は、その牛の牛乳は出荷できない。乳房炎はかなり頻繁に起きる病気で悪化すれば廃牛になってしまう。

そして、根本的に「牛乳が出る状態の牛」というのは、牛が健康に妊娠出産できないと、いない、ということが抜けている。子牛が産まれてから順調に妊娠して出産するまで最低2年程。お産だから産後トラブルで死んでしまう母牛もいる。そうすると2年分かけたコストは回収できない。

話を戻します。Shinoharaさんがよく、現在の日本の農業が「狭い土地で最大の収穫を上げられるのは化学肥料を輸入してるから」とおっしゃっていますが、牧草すら輸入に頼る酪農も同じ状況だと思うのです。そして、「最低限の頭数で最高の乳脂肪を!」をやるから牛が病気になっている。この仕組みを変えない限りは変わらない問題なのだと思います。

以上、経営者ではなく、以前酪農に携わった程度のものですがご参考になれば幸いです。長々失礼しました。

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https://twitter.com/minamocchi39393/status/1628147165519556611?t=nkiF3BGc_rL56cqr7CrSwg&s=09


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