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梅雨前線、引き続き停滞か 気象庁が大雨警戒呼び掛け 九州を中心とした一連の豪雨で、最初の大雨特別警報が熊本、鹿児島両県に出てから11日で1週間となった。熊本県を中心に死者は計67人に上った。梅雨前線が長期にわたって日本列島付近に停滞しており、気象庁は同日、13日以降も大雨の恐れがあるとして改めて警戒を呼び掛けた。

九州各地で雨が降り出したのは3日ごろ。気象庁は4日未明に熊本と鹿児島に大雨の特別警報を出した。雨雲が線状に連なって同じ地域に大雨を降らせ続ける「線状降水帯」が発生、記録的豪雨をもたらした。 日本上空には中国大陸から延びる梅雨前線が停滞している。太平洋高気圧が勢力を強めると梅雨前線を北に押し上げて梅雨明けするが、高気圧の勢力が日本上空に及んでおらず、前線が異例ともいえる長さで居座り続ける格好になっている。11日も熊本や長野、岐阜などで大雨となった。 気象庁は11日、梅雨前線は週明けにかけても日本付近に停滞するとの見通しを明らかにした。西日本と東日本では12日明け方にかけて、東北地方では12日夕方にかけて大雨となる所がある。さらに13日以降も大雨が続く恐れがあるとして、今後も警戒を続けるよう呼び掛けている。 国土交通省のまとめでは、これまでに球磨川や筑後川など12県の101河川が氾濫。熊本県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」の入所者14人が死亡するなど、熊本県で61人が亡くなったほか、福岡県や大分県、静岡県などで死者が出た。 国交省によると九州や中部地方を中心に、河川にかかる橋梁が流失したり、線路に土砂が流れ込んだりして、JRなど8事業者の計12路線で鉄道施設に被害が出た。線路などの損傷が大きかった路線では復旧までに長い時間がかかる可能性があり、観光列車の運行が多い九州では沿線の観光産業への影響が長引く恐れもある。 各自治体などによると、住宅被害は1万2千棟を超えた。熊本県は11日、被災者向けの仮設住宅の建設作業を始めた。人吉市などでは8月中旬の入居を目指す。

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