結局、お金の問題です‼ 東京五輪、延期コストは? 従来予算は1兆3500億円 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京五輪が1年程度延期されることになった。中止という最悪の事態は回避されたものの、延期となれば改めて競技会場や人員を確保することになる。大きな追加コストが生じることは避けられない。 東京五輪の開会式が行われる国立競技場(24日、東京都新宿区) 東京都と大会組織委員会が2019年12月にまとめた予算計画第4版によると、東京五輪・パラリンピックの大会予算は1兆3500億円。

都と組織委がそれぞれ6000億円、国が1500億円を負担することになっている。 都と組織委が、競技会場として使う施設に支払う賃借料などは約530億円に上る。大会の延期によっていったんキャンセルして再契約するか、本番まで借り続けることが想定される。各施設との契約内容で異なるが、解約すれば一定のキャンセル料などが生じる可能性もある。 レスリングなどの会場となる幕張メッセ(千葉市美浜区)の国際展示場については、利用開始日の4カ月前までに使用料の10%、1週間前までに90%を支払う必要がある。キャンセルしても入金した分は原則返金しないが、新型コロナの影響で中止となった2~3月のイベントは返金対象としている。 バスケットボールが行われるさいたまスーパーアリーナ(さいたま市)では通常、利用許可が出た時点で利用料の50%を支払い、3カ月前に備品などの費用を除く代金を支払う流れとなる。政府による大規模イベントの自粛要請を受け、3月中に中止したイベントは特例措置で全額返金する方針という。 アリーナ運営会社の担当者は五輪延期によるキャンセルの扱いについて「現時点では分からない。新型コロナの影響で、今夏に代わりのイベントを入れられるかどうかも読めない」と話す。 既に契約しているイベントについて日程変更や中止を求めることになれば補償を要求されることもあり得る。 3月時点で組織委では約3500人の職員が働いており、大会時には8千人に増える見通しとなっている。19年度の正味財産増減予算書によると、職員の給料手当は計約40億2600万円。大会が先に延びれば人件費も増える。組織委に出向している都職員については都が負担しており、出向者約1千人に対し19年度予算で約82億円を計上した。 組織委の収入を見ると、国内スポンサーからの協賛金が3480億円とほぼ半分を占め、他にチケットの売上金として900億円を見込んでいる。延期時の協賛金やチケットの取り扱いはまだはっきりしない。 都と組織委は、想定外の出費に備えて270億円を予備費として計上しているが、延期の費用をまかなうには到底足りないとみられる。ある組織委幹部は「五輪が中止になるよりは良かったが、追加のコストは数千億円規模になるのではないか」とみる。 追加費用の負担について、組織委関係者が「国も一定程度は負担するのではないか」との見通しを示す一方、政府関係者は「都、組織委、国際オリンピック委員会(IOC)の間で解決してほしい」と話している。

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