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バフェット氏「日本の未来に参画」 5大商社株を取得 著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイが伊藤忠商事など5大商社株を買った。バークシャーが日本の上場株を本格的に購入するのは初めてとみられる。

史上最高値圏にある米国株に比べ、割安な日本株に照準を当てた可能性がある。米国株に偏っていた運用の是正に一歩踏み出した形だ。市場関係者に聞く バフェット氏は声明で「日本と5社の未来に参画できることをうれしく思う」と述べた。バフェット氏が上場株運用で声明を出すのは異例で、期待の表れとも言える。 長期投資先に選んだ日本の5大商社については「世界中で合弁会社をつくっている」と指摘した上で、「将来、相互に利益をもたらす機会があると望んでいる」と述べた。バークシャーは傘下の事業会社に保険やエネルギー、金属加工メーカーなどを抱えており、将来の協業にも期待感を示した。 取得したのは伊藤忠や三菱商事に加え、三井物産、住友商事、丸紅の5社。前週末終値の株価で計算すると約6700億円になる。以前、バークシャーが円債の発行で調達した6255億円を軍資金にしたようだ。銀行株売り・金買いの「遺言」 30日に90歳の誕生日を迎えたバフェット氏は米ネブラスカ州オマハに本拠を置く投資会社バークシャーを率いる。長年の運用実績から「オマハの賢人」と呼ばれ、世界中の投資家がバフェット氏の言葉に耳を傾ける。 6月末時点で上場株を2074億ドル(約21兆円)分保有し、大半は米国株でアップル、バンク・オブ・アメリカなど4社で全体の7割を占める。海外企業への投資は中国の電気自動車(EV)最大手、比亜迪(BYD)などに限られる。 バークシャーによる日本の上場株の大量保有が明らかになったのは、今回が初めてだ。2008年に傘下の工具大手IMCグループが未上場企業のタンガロイ(福島県いわき市)を買収し、バフェット氏が11年の東日本大震災後に同社の工場を訪問したことがある。当時、日本経済新聞のインタビューで「私の関心を引く日本の大企業がいくつかある」と述べていたが、バフェット氏が実際に動くことはこれまでなかった。 今回の5大商社株取得は、バークシャーが組み入れ銘柄の見直しを進める中で明らかになった。同社は新型コロナウイルスの感染拡大以降、米エアライン株を全て売却したほか、米銀株の保有も一部を除いて減らしている。バフェット氏は日ごろから米国経済に強気な見方を示してきたが、5月の年次株主総会では、コロナの長期化を念頭に、投資機会の少なさに言及していた。 一方、バークシャーの手元資金は1465億ドルと過去最高水準まで積み上がっており、有効活用を求める株主の声は日増しに強まっている。日本株はPER(株価収益率)などの投資指標で見ると、史上最高値圏の米国株に比べて割安で、余剰資金の振り向け先として白羽の矢が立った可能性がある。 31日の東京株式市場で日本の5大商社の株価は寄り付きから上昇し、上げ幅を拡大している。丸紅が一時前日比14%高となったほか、住友商事と三菱商事も10%前後の上昇で推移している。資源価格の下落懸念で伸び悩んでいたが、一転して急騰した。

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