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スポーツマネジメント大学院 AISTSとは

9月から授業が始まり早3週間が経ちました。
座学の講義もあれば、外部のビジネススクールやスキー製品の工場でものづくりを学ぶなど幅広く展開されています。スポーツ用品をテーマとした授業のグループワークでは、テニスラケットや自転車のタイヤなど自分たちでアイテムを選び、その製品の成り立ちから使われている素材、今後に向けた改良などをまとめました。(私のグループはバドミントンのシャトルコックを選択)

今回は、私が通っているAISTSとはいったい何なのかについて書いていきたいと思います。

1. AISTSとは

AISTSとはInternational Academy of Sport Science and Technologyの略称で、2000年にIOC、ヴォー州、ローザンヌ市、IMDビジネススクールスイス連邦工科大学、ローザンヌ大学、スイスのローザンヌなどが設立したスポーツマネジメントに特化した教育機関で、Master of Advanced Studies in Sport Management and Technologyという15ヶ月に渡るプログラムを運営しています。

2. プログラムの内容

プログラムは、①講義やサイト訪問などの8ヶ月間のスタディ、②チームプロジェクト(半年以上に渡ってクライアントから出されたテーマ/課題解決に取り組む)、③インターン(最低2ヶ月以上、レポート提出含む) の3つで構成されています。今年からプログラムがアップデートされ、卒業論文がなくなりました。

学びの要素としては、①マネジメント ②テクノロジー ③法律 ④社会学 ⑤医学 の5つからのスポーツにアプローチする内容となっており、中でもマネジメントとテクノロジが最重要視されています。今年からプログラムの内容も改修が加わり、よりデジタルとサスティナビリティに視点を大切にされていくとコースの初日に話されていました。(受験の時は知らなかった…笑)

3. クラスの人数と地域・国、年齢構成

今年は16カ国から26人が集まりました。
・北米(アメリカ1/カナダ1)
・南米(チリ2)
・アジア(インド4/日本2/中国2/イラン1/オーストラリア1)
・ヨーロッパ(スイス4/イギリス1/イタリア1/ポルトガル1/フランス1/ウクライナ2/ロシア1/キプロス1)
※ケニアの方も1人いる予定でしたが、直前でプログラム不参加に。

例年35人前後なのでやや絞ったと聞きましたが、これはこれで深く人間関係を作っていったり、プログラムから手厚いサポートを得られる可能性もあるのでプラスに捉えています。

チリからオリンピックを3度経験した元体操選手がいたり、国の代表選手だったという人も数名いて、スポーツのバックグラウンドも様々です。観るスポーツとしてのサッカー人気は圧倒的ですが、プレー経験や趣味として"するスポーツ"はテニスが一番多く、サッカーを上回っていることは意外な発見でした。

年齢も最年少は24歳、最年長は50歳までさまざまですが、募集で要件に挙げられているように社会人経験のある参加者が多く、ボリュームゾーンとしては自分と同じ31~33歳くらいです。全員の年齢を知らないので正確なデータではありませんが、10月頃には参加者が載ったプロフィール冊子が出来上がるので追って更新したいと思います。

4. 卒業生の進路と就職活動

気になる進路や就職ですが、卒業生の80%がスポーツ関係の仕事に就き、約40%がIOCを始めとする国際競技連盟(IF: International Federation)や協会組織で働いています。そのほかにもリーグ、クラブ、メーカー、マーケティング会社などなど幅広く卒業生のネットワークがあります。

キャリア支援にあたってメンタープログラムという、受講生の希望する進路や志向に応じて卒業生をメンターとしてマッチングする取り組みがあり、これもAISTSを選択する上でひとつのポイントとなりました。10月にはメンターとなってくれる方が決まるのでとても楽しみです。

5. 他国のプログラム

欧米には、さまざまなスポーツマネジメントを学ぶプログラムがあり、期間も人数も内容もそれぞれ異なります。受験する際にいろいろと調べましたが、以下にリンクを載せたSport Globalのプログラム紹介ページや、40プログラムをまとめたSportBusiness Postgraduate Rankings 2021はとても参考になりましたので、受験を考えている方はぜひご覧になってみてください。

Rankingの冊子はリンクからダウンロード出来るのですが、日本でも知られているFIFAマスターは5位、AISTSはそれに次ぐ6位という位置づけでした。様々な要素が得点化されてコースの特色が垣間見えるなどいろいろな発見があり、貴重な情報源となりました。


昨年の受験の準備やプロセスについてはこのnoteに詰め込めきれないので、別でまとめたいと思います。志望理由書や推薦書の入手、英語のスコアメイクやオンラインでの面接などいろいろなことがあったので、スポーツの大学院プログラムの受験を考える人に参考になるものにできればと思っています。

授業後にはビーチバレーやテニスなど初めて触れるスポーツを楽しめています