不可解な評価方式
キングオブコントもM-1も相変わらず不可解な「点数」のみでの評価となっています。最初はこれで良かったのかもしれませんが、今でこそ芸人の漫才、コントのレベルが上がっている以上、どうして勝ったのか、どうして負けたのか、それをはっきりさせる必要があります。
なので私は提案します。
ただの点数方式ではなく、
・リアクション
・テンポ
・斬新さ
・オリジナリティ
・期待をこめて
の五角形で、それぞれ20点満点で出してみてはどうでしょう。
というのも、私にはどうしても忘れられないM-1の回があるのです。
それは2019年大会、「かまいたち」の結成15年目、優勝をかけた最後の回です。私はこの回の事を「交通事故」と呼んでいます。
かまいたちはすでにキングオブコントで優勝するという実力を携え、それまでもM-1でも3年連続ファイナリストまで勝ち上がり、いよいよ出場制限最後の年、優勝をかけて決勝に臨んだのです。
内容も今までよりさらにブラッシュアップされ、斬新さも兼ね備え、相手にとって不覚はなし、おそらく本人たちも全力を出し切った後悔のない漫才だったことでしょう。
ところが優勝はどなただったか覚えているでしょうか。
彗星のごとく舞い降りたあの「ミルクボーイ」です。本当かどうかわかりませんが、M-1表彰式の時に「今年初めてのテレビ出演でこれは絶対夢や」とおっしゃっていましたが、もしこれが本当なら大変なことになります。
《《たられば》》は言ってはいけませんが、もしミルクボーイが2019年の半ばから少しでもブレイクしていれば、あのコーンフレークネタの斬新さは欠けていたでしょう。
「あー、ミルクボーイってあれだよね」
となっていたはずです。
しかし、私のように初めてあれを見させられたら、あの感動は凄まじく、その魅力に取り憑かれてしまうことは間違いないのです。
コーンフレークで面白いと思ったら、次はモナカですよ。面白くないはずがありません。
そのまま勢いでぶっちぎって、ミルクボーイは優勝を果たしました。
優勝者を選ぶ際に、松本人志さんだけがかまいたちに入れていたのが印象的でした。
インパクトだけで選んだら、ミルクボーイです、しかし総合点で見たらかまいたちだったはずです。果たしてこの評価方式はどうなのでしょうか。
お笑いをやっている人からしたらこんな意見もあるかもしれません。
「そんな細分化したらおもろないやん、思いつきでお客さんの気持ちつかめるかどうかがお笑いなんや」と。
ただ私はやはりミルクボーイのコーンフレークネタにある五角形のように、お笑いも総合力を評価すべきだと思いますがね。
しかし、幸いかまいたちのネタは全国へと放送され、その実力は多くの人が知ることとなりました。
もし私が審査員としてあの場にいたら、きっとこう言っていたでしょう。
「かまいたちさんが優勝できなかったのはとても残念だったと思います。総合力ではかまいたちが優勝でも良かったと思います。ですが、かまいたちの面白さは間違いなく多くの人が見ました、これからはM-1優勝なんていうものじゃなく、もっと大きな偉業を目指して頑張ってほしいと思います。これからもカミナリの二人を応援しています」
とここで、「いや、かみなりじゃないから」ツッコミをもらえたら言うことなし。
実際その後、かまいたちは飛ぶ鳥を落とす勢いでテレビに露出し始め、今や彼らを見ない日はありません。一方でミルクボーイは大阪にとどまり、今でも彼らのスタイルを貫いています。今でもコーンフレークとモナカのネタを見ると何度聞いても爆笑します。
彼らの今後の益々のご活躍を期待しております。
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