「雨上がりのアルテミア・愚痴外来診療録」 第4話 2日目
前話 第3話「最初に越えるべき壁」
後話 第5話「言葉という魔物」
三浦は百円ショップで買ってきた、額縁付きの絵を壁に飾ろうとしていた。壁のシミがひどく印象が悪かったからだ。ふと部屋の隅をみると、どこからか雨漏りがあるのかカビが生えていた。
「せんせー、もっとお金稼いで壁紙張り替えましょうよ。それと雨漏り」
心山(むねやま)はおばけえびを暖かい眼差しで見つめながら、柿の種をぽりぽり食べていた。
「まあそのうちね」
もう、と言いながら三浦は求人情報誌を眺めていた