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心のレジリエンスについて

今回は、心のレジリエンスについてお話させていただきます。


レジリエンス」という言葉をお聞きになったことはありますか?

嫌なことやつらいこと、悲しいことを経験すると、私たちの心は落ち込んだり、くじけそうになったりします。
そのような時に長く心が落ち込んだ状態のままでいる人もいれば、すぐに元の元気な状態に戻れる人がいます。

その違いは、レジリエンスの高さにあります。

レジリエンスとは、落ち込んだり、くじけそうになった心を正常な状態に回復させる力です。

今回はそのレジリエンスについて説明します。



レジリエンスとは何か、改めて説明します。

もともとは物理学の用語でストレスとセットで使われます。
ストレスは「外圧によるゆがみ」という意味に対して、
レジリエンスは「そのゆがみをはね返す力」という意味です。

それが心理学の用語として、
「精神的回復力」
「復元力」
「心の弾力性」
という意味で使われることが多いです。

ストレスを受けても弾力性ではね返したり、もとに戻ったりする力をなんとなくイメージできると思います。

心のしなやかさ
というのが最もレジリエンスを言い表していると思い、私はよく使います。

ストレスを受けた時に心に柔軟性があれば、深く落ち込まずに回復も早いです。
またレジリエンスが高いと挫折しにくいので、目標達成のためにねばり強く続ける力も高くなります。



ここでレジリエンスを低めてしまうある考え方があるので、要注意です。

それは「完璧主義」です。

レジリエンスを「心のしなやか」と表現しましたが、
「完璧主義」にはそれと反対で妥協を許さない硬さがあります。

完璧を求めすぎるあまり、一つ一つの失敗がとても大きな痛手になってしまいます。


完璧主義の傾向がある人は、「0か100か」の両極端な思考になりやすいです。
「東京大学以外は大学じゃない」
「他の大学は価値がない」
なんて考えてしまったら、挫折した時の痛手は大きいですよね。

また完璧主義の人は、「当然」「べき」「ねばならない」という思考を持ちやすいです。
考え方にがんじがらめになって、譲ることができない傾向です。
「あれだけ勉強したのだから良い点が取れて当然」とか、
「良い点を取らなければならない」とかです。



それでは、完璧主義を手放して、レジリエンスを育むためにどのような考え方を持つと良いのでしょうか?

それは、「ベストを尽くそう」という考えにシフトすることです。

現実は現実として素直に受け入れて、今の状況の中で「ベストを尽くそう」と考えるのです。

完璧主義との違いがわかるでしょうか?

完璧主義では、ある目標地点に到達しなければ一切の価値がないと考えます。
「到達するべきだ」
「到達せねばならない」

一方で「ベストを尽くそう」は、
到達できなかったとしても、今置かれている状況のなかで最善を尽くそうと考えます。

どのような結果でも最善を尽くしたのなら後悔はしない、
目標に到達しなくても、やれることはやったと思えます。

「ベスト」という言葉を意識することで、完璧主義を手放していけます。



今回は、心のレジリエンスについて説明し、
レジリエンスを低くする完璧主義を手放して、
「ベストを尽くそう」に考えをシフトしましょう、という話をしました。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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