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感情を表すしぐさは先天的に備わったもの
今回は、感情を表すしぐさや動作は生まれつき備わったものであるという話です。
私たちはうれしい時には、顔を上げてパッと明るい表情になり、
落ち込んでいるときには、肩を落とし、
自信があるときには胸を張ります。
このようなしぐさや動作は、誰かを見て学ぶのではなく、生まれつき備わっているようなのです。
誰もが共通する感情表現のしぐさをするのならば、それを観察することで相手の感情を理解しやすくなる、そんな話です。
感情を表現するときの身振り、手振りは先天的なものであるようです。
ある研究があります。
米国インディアナ大学のジャナ・アイバーソンは、先天盲(先天的または乳幼児のときに視覚を失い視覚記憶のない状態)の12名(男性4名、女性8名)と、視覚障害のない12名(男性4名、女性8名)にスピーチをお願いし、スピーチ中にどんな身振りやしぐさをするのかを調べてみました。その結果、先天盲のグループも、比較のためのグループも、まったく同じような身振りをすることがわかったのです。先天盲の人は、生まれつき目が不自由なので、だれかのしぐさを見て学んだわけではありません。それでも、嬉しいことを話すときには、ピョンピョンと飛び跳ねるようなしぐさをしますし、楽しいことを話すときには盛んに手を動かすのです。視覚障害のない人と、何ら変わらないしぐさをするのです。アイバーソンの研究は、私たちがよくやる身振りやしぐさが、後天的に学習されたものではなく、生まれつき備わったものであることを明らかにしたといえるでしょう。
(内藤誼人 総合法令出版)
私自身、人とコミュニケーションを取るときに重視することがあります。
相手の言語的表現よりも非言語的表現を信頼するということです。
言葉では「YES」と言っていても、声のトーンが落ちていたり、表情に曇りがあったりするなら慎重に進めます。
貧乏ゆすりするならイライラしていると受け取り、話を結論から伝えなければと思います。
感情を表現するときのしぐさが生まれつきのものなら、誰もが共通したしぐさで感情を表現しやすいのです。
それなら、相手の身振り手振りやしぐさをしっかり観察することで感情を推し量ろうと思うわけです。
今回は感情を表すしぐさや動作は生まれつき備わったものであるという話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【参考文献】
『世界最先端の研究が教える新事実 人間関係BEST 100』(内藤誼人 総合法令出版)
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小林いさむ|公認心理師
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