見出し画像

傾聴している時に涙を流されたらどう対応しますか?

今回は、傾聴に関する話になります。
 
 
傾聴というのは、私たちのような心理カウンセラーだけに求められるものではなく、人間関係を構築したり大切な人をケアしたりする上で日常でも活用できるスキルです。
 
ですので、傾聴に関するスキルの一部を共有したいと思い書かせていただきます。
 
傾聴している時に話し手が涙を流したら、聴き手はどのように対応したらよいのか、ということについて。
 
相談の仕事をしていると、そのような場面がよくあるのですが、その際に私がどのような対応をしているのかを書いてみます。
これが正解ではないので、もしあなたなら「こう対応する」というものがありましたらコメントいただけると幸いです。



私は、現在ひきこもりの相談業務をしていまして、ご本人やご家族とお話するのが仕事です。
 
そうしますと、相談の最中に相談者が涙を流すことがよくあります。
涙を流されるのは、女性が多いですが男性にもときどきいらっしゃいます。
 
相談の序盤から涙を流される場合もあれば、中盤になって話が深まってきたところでもあります。
 
 
涙の意味をどう解釈するかいつも悩みます。
「どうして泣いているのですか?」なんて聞きづらいですからね。
 
今のところ、このように涙の意味をとらえています。
 
序盤の涙は、緊張や話すことがつらいというのももちろんあると思いますが、ずっと人に相談できなかった「思い」が押し寄せるのではないかと。
ずっと相談する相手や機会がなく、一人で悩んできたのが目の前に話を聴いてくれる相手がいることで、まるで波のように「思い」押し寄せるのだと。
 
それだけ孤独だったのだと思います。
 
相談の中盤で涙するのは、目の前の聴き手に安心できるようになって、話が深まり一番心に触れる部分が語られるためと考えます。
 
 
このように傾聴において、話し手が涙する時に聴き手はどう対応すればよいのか。
 
個人的にしていることは、
同情も励ましもせず、真剣に聞き続ける、というものです。
 
「つらかったんですね」
「泣いてもぜんぜんいいですよ」
 
と涙にフォーカスしたり、さらに掘り下げてつらい思いを聞きたくなったりもするのですが、それは過剰に行いません。
 
また、
「大丈夫、大丈夫」
「そんなに悩まなくても平気ですよ」
 
などのように励ますことはもちろんしません。
話し手に寄り添えなくなるからです。
 
話し手は、「すみません」と涙を流したことを申し訳なさそうにすることが多いです。
ですので、気を使われていると思わせないように、なるべく自然に受け入れる態度でいます。
それでいて、真剣に聞き続けます。
 
私はこのように接していますが、正解はないので、あなたならこうするという対応があれば教えていただけるとありがたいです。
 
序盤、中盤で涙する場面があるわけですが、気をつけているのは、終盤では前向きになって終えるということです。
悩みに対して具体的にこれからどうしていくのかを話し合って、なるべく明るく前向きに相談を終えるよう心がけています。
 
 
このような流れを考えますと、以前の記事にも書きましたが、本音を語ってもらう時の聞く順番に当てはまりそうです。
 
現在~過去~未来の順番で話の内容を聞いていくと、深い本音を語ってもらいやすくなります。
(『心を開いてもらう「現在→過去→未来」の話の聞き方』過去記事)
 
現在…今のつらい気持ちで涙。
過去…心の最深部が語られて涙。
未来…具体的にこれからの取り組みを考える。
 
 

今回は、傾聴している時に涙を流されたらどう対応しますか、という内容でした。
私の場合、同情もせず励ましもせず、真剣に聞き続けるという対応です。
あなたはどう考えますか?
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。


【お問い合わせ・カウンセリング】

■小林へのお問い合わせは⁠こちら
小林へのお問い合わせやお仕事依頼など。

■カウンセリングのお申し込みはこちら
カウンセリングについてのお問い合わせやお申し込み。

小林いさむ|公認心理師

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?