書評・安田浩一・安田菜津紀『外国人差別の現場』朝日新書
世の中に社会問題は数多くあって、どうにかしなければいけないよなと思うけれども、たいていほとんど何もできない。日々の暮らしで精一杯で、ニュースを追うことすらままならない。だからと言って、あきらめるわけにもいかない。よその国の戦争、他人の人権侵害、遠い地域の環境汚染であっても、人道的に許せないというだけではなく、必ず、自分や家族と繋がっているのだ。
そんなとき、無力感にさいなまれてしまうのは、全か無かを選んでしまうからではないだろうか。全てに関わるか、全部を知らないふりをするか