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ラジオと夏の午後

午前中、新しいバイトの面接に行った。ケーキ屋だ。
2ヶ月弱働いていたスーパーのお惣菜作りは、タイムカードを押した後にタダ働きさせられるのが嫌で(嫌も何も労基違反だが)、少し前に辞めた。

家から歩いて行ける場所にあるケーキ屋は、やさしそうなご夫婦が面接というか雑談をして、笑顔で見送ってくれた。結果は月曜に電話してくれるそうだ。
受かるといいなと思うけれど、受からなくても別に構わない。また次を探すだけだ。

歩いて帰ると汗だくになっていた。声優の坂本真綾のラジオを聴きながらシャワーを浴びた。
お風呂でラジオを聴くのは、もともと夫の趣味だ。お風呂が嫌いで、なかなか入りたがらない私に、「ラジオを聴くと楽しいよ」と教えてくれたのだった。

夫は、オードリーのオールナイトニッポンだとか、バスケの解説YouTube(?)だとかを、大きな音で聴きながらお風呂に入る。
私がシャワーのときに「坂本真綾のビタミンM」を選ぶのは、30分という長さがちょうどいいことと、坂本真綾のくっきりした発音がお風呂でも聞き取りやすいからだ。

お風呂上がり。坂本真綾を聞き終わってからも、もっとラジオが聞きたくて、「早見沙織のMemories&Discoveries」を聴いている。
これはラジオ好きの兄が教えてくれた番組で、「声優さんのラジオだけど、本人の主張があんまり強くないところがいい」という言葉通り、トークよりも音楽が主体なので聞き流しやすい。

このラジオは、クラシックからJ-POPまで、古今東西いろんな音楽を聞かせてくれる。私がnoteのIDにしているakmuも、このラジオで出会った歌手の名前だ。(韓国の兄妹デュオである)
私はとても偏った音楽の趣味をしていて、ここ数か月はほぼスピッツしか聴いていないほどなので、普段聞かない音楽をたくさん聞けるラジオは新鮮な気持ちになる。

ラジオはよく聞く時期とまったく聞かない時期がある。
一時期ハマっていたのは、「鈴村健一のラジベース」という番組。
声優の鈴村健一(先述の坂本真綾の旦那さん)が、「普通のラジオをやりたい」というコンセプトで、普通にフリートークしたり、普通におたよりを読んだりする……だけなのに面白い番組だ。特撮・レトロゲームオタクの鈴村健一が、リスナー置いてきぼりで誰にもわからないマニアックなトークを繰り広げるのが好きだった。子どもみたいに楽しそうで。

他にたまに聞くのはミュージシャンばかりで、山下達郎のサンデー・ソングブック、草野マサムネ(スピッツのボーカル)のロック大陸漫遊記、BUMP OF CHICKENのPONTSUKA!!だ。

声優さんのラジオは綺麗な発音を聞いているだけでうっとりする。好きなミュージシャンのラジオは、意外とぼそぼそした喋り方が面白かったり、素顔が垣間見えて親近感が湧いたりする。
テレビはたくさんの人が出てくるのが騒がしくて苦手なのだが、ラジオは自分の興味のある人だけが少人数で喋るので心地よく聞ける。

いつか私もラジオで喋ってみたいなぁ。なんて思いながら、今日も憧れの人のラジオを聞いている。


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