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【ぶらり散歩】羽田の穴守稲荷はご利益の「穴場」

もし心のどこかにずっと引っかかっている場所があったとしたら、そこへはいつか行ってみるべきだ。

空港や飛行機が好きで、羽田空港には何度も足を運んできた。基本的には京急蒲田から空港線を利用するのだが、羽田空港に至るまでにはいくつかの途中駅がある。そのうちの一つが「穴守稲荷」だ。

先端的でエキサイティングなイメージの空港の近くにあって、なんと地味な駅名なんだろうと30年以上思い素通りし続けてきたが、ある時散歩先が全然思い浮かばないなぁとググっていたら、ポン!と小さなひらめきの音とともにこの駅名が浮かんできた。

そういえば、穴守稲荷ってどんなところなんだろう? 神社だとは思うが…

調べてみれば、なんと大好物の千本鳥居があるというではないか!
これまで赤坂の日枝神社と乃木神社、根津神社、そして品川神社の千本鳥居を見てきて、流石に(自分の行動範囲の中には)もう他に見られる場所はないだろうと勝手に思っていた。

しかし、アクセスの良いところにまだ見ぬ千本鳥居があると聞けば、これは駆けつけねばならない!

ということで、早速仕事帰りによってみることにした。

本殿

駅舎は穴守稲荷神社をイメージした造りになっていて、駅前には穴守稲荷の現社殿を施工した大成建設が奉納した鳥居が待ち構えていた。

とはいえ、「本当の」入り口は徒歩5分程度のところにある。サンセットに合わせて行くと夕焼けと一緒になんか素敵な雰囲気になっているかもと思い急いだのだが、この日は生憎京急線のダイヤが乱れていて、境内についたのは、ちょうど空が真っ暗になりかける頃だった。

しかし、夜の闇の中で、むしろこの神社の迫力が一層引き出されていたように感じた。いつものように、きちんと手を清め拝んでから撮影に入る。


名前の由来

ところで、「穴守(あなもり)」とはまた個性的な名前だが、いったいどんな由来があるのだろう?

調べによれば、こうだ。

江戸時代にこのあたりで新田の開発行った際、激しい波のため沿岸の堤防に大穴が開いて決壊し大被害が発生した。
そこで村民らが堤防の上に稲荷大神を祀ろうと作ったのがこのお稲荷様。これができて以降は波の害も落ち着き、豊かな田園となったという。
つまり、「穴から住民を守る」から穴森稲荷というわけだ。

ちなみに、、、この「穴守」という名が「(性病から)守る」にも通ずるとされ、遊女達の信仰も集めたとか。ま、穴といえば穴だけど…拡大解釈すごいな笑


千本鳥居

本殿の右横に、それは連なっていた。
なかなかの本数、長さである。くっきり鮮やかな朱色の鳥居が「奥宮」というその名の通り奥にあるもう一つの中型の神社への回廊を成している。

面白いことに、この本線?からは4つの脇道?が出ていて、それぞれ異なる3つの小さな社に続いていた。

一番手前が「必勝稲荷」

二番目は、「開運稲荷」

そして、三番目が「出世稲荷」

最後は、「繁盛稲荷」

ま、いずれもボクには欲しいご利益なので忙しなくも一つひとつお詣りしておいた(と言っても丁寧にお辞儀しただけだが)。いろんなことを叶えてくださる太っ腹な神社だなぁ。


絵馬

地理に関係する特色もある。もちろん、羽田空港に近いということ。
本殿の右脇には絵馬の奉納場所があって、なんとなしに眺めると、空港や航空会社の関係者が奉納したものがたくさんかかっていた。。

何枚かをじっくり見たが、胸が熱くなった。商売繁盛よりも安全への願いが真正面から書かれていたからだ。大手航空会社の安全管理部門に勤める実弟が御巣鷹山の慰霊祭や他業界への安全教育も熱心に行っていると話していたのが脳裏をかすめ、余計に感じ入ってしまった。関係者の誠実さに敬意を表する。「日本の空は大丈夫」と思わせてくれる瞬間だった。


洞窟

鳥居を抜けて、奥宮に迫ろう。
と言っては見たものの、もう「営業終了」という感じでガラス戸が閉じられていた。

なので、脇にある洞窟のような場所に足を踏み入れてみる。
入り口には「御神六」という銘板がついており、中にはいると明かりは少なくかなり薄暗い。若干怖いなと思いつつしっかり眺めてみると、小さな祠(ほこら)とその周囲に、これでもかと言わんばかりに狐(お稲荷様)が座っていた。この場所、めちゃめちゃ守られてる!

脇には立板があり、「この場所の砂を持ち帰るとご利益あるよ」的なことが書かれていた。が、それは自宅に帰って写真を見直してから気づいたので、時すでに遅し…ここにライトをつけて欲しかった。。

お辞儀をして、この場所を離れる。


稲荷山

ここが面白い。
なんと奥宮の背後にドーン!とそびえ立つ「山のようなもの」があるのだ。実際には人工的な感じがしたが、急な階段がついていて、登り切るとそこにもまた神社があった。

足場が狭く風が強かったこともあり、なんだか妙にドキドキしてしまったが、「稲荷上乃神社」と「御嶽神社」の2つがあり、それぞれが暗闇の中で境内と街を見下ろしている。

上り階段の中腹は二手に分かれており、左に折れると「テラス」みたいなところに出るのだが、なんと!ここにはさらに4つの神社が!
一体いくつの願いを叶えようってんだ!太っ腹!お詣りしすぎて首が鞭打ちになりそうだ。こちらは「航空安全」などの御利益があるようだ。今月後半には台湾旅行に行く予定だから、しっかりお詣りしておくことにしよう。



軽く1時間はいただろうか。
鳥居とお稲荷様と小さな神社、可愛い狐の絵馬のオンパレードで、さながら小さなテーマパークの様相を呈していた。非常にアトラクティブで内容の濃い神社である。

空の旅に出かける際は、ちょこっと寄ってお詣りして安全祈願しておくと安心かもしれない。ただし、飛行機の時間には遅れないように笑



今回のぶらり散歩もお楽しみいただけましたでしょうか?
思いつきで訪れた場所が予想以上にエキサイティングだったということはボクの散歩ではよくあることで、次の行き先を探すのが楽しみです。
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