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【エア散歩】ベラルーシに行ったら絶対◯◯してはいけない
ベラルーシ。今日は、ロシアのウクライナ侵攻に絡んで、茶の間でも耳にする機会の増えたこの国の話題です☕️ シングルマザーの英語教師Olgaと話している中で、考えさせられることがありました。
🟥ゴメリ市街をバーチャル散歩
6月のある日。ボクらはWhatsAppのビデオ通話で、お互い街歩きしながら目に映るものをランダムに紹介しあっていました。向こうは午後早め、こちらは夜です。
彼女の住むゴメリ(ホメリ)は、首都ミンスクに次ぐベラルーシ第二の都市。普段は郊外の小ぢんまりとしたマンションのダイニングから会話することが多いのですが、今回は市の中心街へお散歩です。
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この通り、市街は綺麗に整備されており、ちょっとした広場や木陰のある小径、見たことのない球状の噴水などが目を楽しませてくれます。
レンガ造りや木造など、ソ連時代からの古い建物が多く、高くても4〜5階建て。一部の建物は地面にめり込みかけたり、やばい傾きになっていたりするとか笑 地震がないのでそれでも持つんですね。
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図書館やホテルなどはホワイト基調の、大袈裟に言えば宮殿のような装飾で、格式を感じさせるクラシックな佇まい。
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こちらは煌めく東京の高層ビル群やタワマン、ショッピングモール内を練り歩き、ユニクロ知ってるよねとか、スタバはある?(ゴメリにはない)など他愛のない話で盛り上がります。
まるでお互いの国を訪れているような感覚を楽しんでいましたが、ふとした瞬間、ややシリアスな雰囲気に包まれることに。。
🟥ベラルーシでベラルーシ語を話すな
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ゴメリの中心街に、大きすぎず小さすぎずな鉄道のターミナル駅があります。プチホワイトハウスみたいなその駅舎の前に、ドリンクスタンド、平たくいえば屋台が出ていました。
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Dreamstime.com
売られていたのはквас(クヴァス)という、炭酸飲料。見た目はコーラ。あとで調べたのですが、一般的には微妙にアルコールも入っているそうです。公共の場での飲酒は禁止されているのですが、それには抵触しないくらいの量か、あるいは屋台のは入ってなかったのかも。
いずれにせよ、そのクヴァスを買ってみせるね!とOlga。で、ボクはベラルーシ語で頼んでみて♪とお願いしたんですが、笑顔でNoと断ってきました。
なんでだろう?英語を話して外国人旅行者のふりでもして楽しんでる?とたたみかけると、「理由はあとで話すね」と意味深な返事が。
怪訝に思いつつ、無事?クヴァスを手にして再び歩き始めたOlgaの放った言葉(小声)に、ベラルーシという国の闇を感じました。
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「ここではね、ベラルーシ語を話す人は反体制派とみなされて、どうなっちゃうかわかんないの。」
😦...
詳しく聞けば、ベラルーシは国としては親露で、日常会話はもっぱらロシア語なんだとか。もちろんベラルーシ語も健在ではあるものの、最近の若い世代にはわからない人も多いそうです。
でも、わかるなら使えばいいじゃん、母国語でしょ?というのが自由で平和な日本人の感覚。ところが、ベラルーシでベラルーシ語を公然と話すと、自分は親露政権を否定する反対派であると表明していることになるんです。
いやそれでも話せばいいじゃん、とも思いますよね?しかし、別記事で紹介したように、この国はルカシェンコという悪名高きヨーロッパ最後の独裁者がのさばる国。日本で岸田さんの悪口言うのとは次元が違う。大っぴらに楯突いたらどうなるか、わかったもんじゃないんです。親露派にたれこまれ、どこかにぶち込まれて行方知れずに...
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反政権派リーダーに禁錮18年
2021/12/15
美しい街並みと明るいOlgaを見ているとつい忘れてしまいますが、この国には厳然として「闇」が現在進行形で横たわっているのです。
安易なお願いをしてごめんなさい🙏🏻💦
🟥戦争の話題は聞きたくない
特段行くあてもなくブラブラと歩いたり木陰で小休止しながら会話は続きます。
途中、ふとOlgagが腰掛けたのが、ボム(爆弾)シェルター。年季の入ったクリーム色のレンガの外壁に、鈍く光るモスグリーンの鉄扉が見えます。
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彼女曰く、に第二次世界大戦の名残りとして今でも街のそこかしこに当たり前のように点在しているとか。ボクが子供の頃(30位年前)には横浜にも防空壕が各地にありましたが、さすがに今は日常生活で目にすることはなくなりました。気づけば、戦争を連想する代物は何一つない暮らし。
シェルターから戦争絡みの話題に移ったところで、「そういえば」とボクはあるニュースを思い出しました。
Olgaに、このことについてどう思うか、国民には緊張が走ったりしているのか聞いてみました。
しかし、彼女は。
「え?何それ...今初めて知ったんだけど... 」
と戸惑った表情。聞かなければよかったという顔色にも見えました。
もともと天気の悪い日などにはメンタルダウンしがちなOlga。戦争の話題もまたストレスになってしまうようで、家族や親戚と議論するのは避けているそう。親世代は盲信的な親露だったりして、本音は反体制派の彼女がまともに取り合えば口論は必至なので敬遠してきたと言います。
過去の戦争ではなく、リアルタイムで進行中の身近な戦争ならなおのこと。ボクはこの話題に触れたことを即座に後悔して謝りました。恐らく、このニュース、彼女に限らず知られていない可能性も高い...情報統制の強い国家ですからね。
その場はそれで終わり、すぐに話題を180°転換して好きなアイスクリームや今まで食べた一番変なものなど明るいものに。しかしボクはこの時も、たしかに、ベラルーシという国の、あるいは国民の深部にドヨドヨとたゆたう仄暗い絨毯のような闇を感じてしまいました。
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(Freepik)
🟥いま想う「正しさの闇」
これは仕方のないことではありますが、日本ではウクライナ戦争に対する関心はもはや薄らいでいますよね。「いつまでやってんの...?」「値上げ値上げで勘弁してよ」そのくらいの受け止めがあらかたではないでしょうか。
しかし、Olgaもそうですが、母国に家族や恋人を置き去りにしてスウェーデンに落ち延びたウクライナ人や、モスクワでウクライナのナチが犯した数々の惨劇を世界はもっと知るべきだと憤怒するロシア人友達と話すにつけ、ニュースの感じ方がボクの中で大きく変わりました。
ある物事について、真反対の見方をする人達がいる。なんの罪もない人が焼かれ、瓦礫に押しつぶされ、家族が引き裂かれるのを目の当たりにしたら、国に関係なく心を痛め、助けようとするのに。歴史、立場、そして何より宗教や教育や情報が目を曇らせ、感じる心に違いをもたらす。
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(日本経済新聞)
拠り所として「信じるもの」は大切だけど、それが時に取り返しのつかない軋轢や衝突を産む。硬い火打ち石同士がぶつかり合えば、そこに火花が弾ける。自らの信ずるものを頑なに信じすぎることで相手のことが見えなくなり、偏った正義を掲げて抹殺しようとする。
正しさを求めすぎてはいけない。そこには闇がある。自分の信じる正しさが通用する制約条件も同時に理解しておかないと、他の人の考える正しさが見えなくなる。
月並みだけれど、頭を柔らかくして違う視座を知ろうとすることが、今とても大切だなと思うのでした。
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