BtoB企業で新卒デザイナー採用に取り組み、得た10の教訓
こんにちは、篠原(@shinopara_jp) です。サイボウズという会社でデザイナーとして働いています。
実は2019年の秋からUX/UIデザインをはなれて、デザイナーの採用・育成を担当するデザイナーとして活動しています。この2年間、新卒デザイナーの採用に向き合い続けてわかったことがたくさんあるので、今回「10の教訓」としてまとめてみることにしました。
この記事は自分にとって初心を忘れないための戒めみたいな意味合いが大きいのですが、もしかしたらこれから新卒デザイナー採用を始めたいと思っている方の役に立つ部分が多少あるかもしれません(全く役に立たないかもしれません…)。
「新卒デザイナー採用」としていますが、まとめてみたら意外とキャリアデザイナーの採用にもあてはまるところがあったので、採用全般の話としても読んでいただけるかなと思います。
1.成果が出るのは早くて2年。焦らずじっくり腰を据えて取り組む
デザイナーは「採用したい!」と思ってもすぐ採用できるわけではありません。特に新卒デザイナーの場合は会社や製品が学生にほとんど知られていないです。
以前大学の企業説明会に参加した時、サイボウズのことを知っている学生は1割ほどでした。認知が限りなく0に近い状態からスタートするのがBtoB企業の新卒デザイナー採用と言えます。
自分が取り組んできた採用活動の経験から言うと、情報発信に力を入れて会社や事業について学生に認知が広まるまで1年。サマーインターンや本選考でマッチする学生と出会い入社に至るまでさらに1年。トータルで2年かかりました。
すぐ成果が出ない…と焦る必要はありません。じっくり2年は腰を据えて取り組みましょう。
2.採用は未来への投資。中長期的なゴールを達成するための重要なミッションであると心得る
採用はマクロな視点でみると未来を見据えて組織をデザインする活動の一つだと感じています。
製品開発を安定的に継続して、中長期的なゴールを達成するためには必要な人材を集めてチームを強化する取り組みが必要不可欠です。
製品のUX/UIデザインを行ったりコーディングをするのと同じくらい、人材を採用して組織を強くする取り組みは重要であると心得て採用活動に取り組みましょう。
3.チームメンバー全員で採用活動に取り組む
日々の情報発信、イベント登壇、インターンの企画・実施、カジュアル面談、面接…などなど、採用にまつわる活動は思った以上にやることがたくさんあります。
とてもじゃないですが、採用担当一人で全てをカバーすることは困難です。チームメンバー全員で仲間を増やしていくぞ!という意識を持ち採用活動に取り組みましょう。
4.情報発信は必須。自分たちを知ってもらうことが採用活動のスタートライン
どんな人がいて、どんな仕事をしているか分からないと「一緒に働きたい。応募してみよう!」とはならないですよね?
一緒に働く仲間を増やす出発点として「自分たちがどうありたいか・どんなことをしているか」を発信することから始めましょう。
特に就業経験のない新卒デザイナーは「働くこと」に対するイメージがぼんやりとしている場合が多いので、現場のリアルな取り組みを知ってもらうことが採用活動の第一歩となります。
採用の募集を出すだけで求める人材が応募してくる時代ではありません。応募者に興味を持ってもらえるように日々の活動を発信していきましょう。
5.情報発信では公明正大にありのままを伝える
「自分たちの良いところを見て欲しい!」と思いすぎるあまり話を盛るのは禁物です。失敗も成功も含めて体験した事をありのままに伝えましょう。
応募者が本当に知りたいのは、耳障りのいい話ではなくリアルな仕事の体験談です。秘匿情報などがあるので全てをオープンにするのは難しいと思いますが、できる範囲でありのままの活動を伝えましょう。
6.発信したコンテンツの閲覧数やいいね数にこだわりすぎない
情報発信をしているとコンテンツの閲覧数やいいね数が気になるところではありますが、こだわりすぎず目安程度に捉えましょう。
特に、情報発信を始めたばかりの時期は認知が広がっていないので閲覧数やいいね数が思ったほど伸びません。しかし、そこで数が少ないからと言って情報発信をやめてしまうのは早計です。少なくとも半年から1年は情報発信を続けてみましょう。
サイボウズ デザイン&リサーチで運営しているnoteマガジンやPodcastも自慢できるほど見られている・聴かれているわけではありませんが、情報発信を半年続けたあたりから、仕事内容やチームメンバーに興味をもった熱意ある応募者のエントリーが新卒・中途共に多くなりました。
閲覧数やいいね数にこだわりすぎず、自社に興味を持っている人がいつでも情報にアクセスできる状況を作っておくという意識で情報発信をしていきましょう。
7.地道にコツコツ情報発信を継続する
応募者が興味を持っているのは「今」どのような活動をしているのかだったりします。そのため、一度情報発信したら終わりではなく、継続して最新の情報を発信するようにしましょう。
情報発信を地道に継続していくと得られるメリットの一つとして、採用イベントやカジュアル面談など時間が限られて全てを伝えきれないような場面で、「もっと知りたい方はこちらをご覧ください。」「最新の活動はこちらです。」といった形でまとまった情報を提供できるようになります。
蓄積された情報は様々な採用シーンで活用できるので、無理のないペースで地道にコツコツ続けるのがオススメです。
8.採用して終わりじゃない。活躍できる状態に持っていくための環境づくりも必要不可欠
採用できても会社やチームに馴染めず辞めてしまっては意味がありません。採用後、会社に慣れて活躍できるようになるまでが採用活動と考えて受け入れ体制を整えましょう。
特に新卒採用は内定から入社までに1年ほどの期間があります。この時期に社員との雑談会を定期的に行いチームメンバーとの関係作りを行っておくと、入社後スムーズに業務へ移行することができます。
入社後は新しい環境に慣れるまで1on1を毎日実施して疑問や不安を取り除き、相談しやすい関係づくりを心がけましょう。
9.採用と育成は地続き。セットで戦略や施策を考える
特に新卒デザイナーの場合はポテンシャルを見込んで採用することが多いので、ポテンシャルを引き出すための育成も採用とセットで考えましょう。
今までの経験だと、新卒デザイナーが会社に慣れて自分の強みを活かして業務をリードする存在になるまでに2〜3年はかかります。この期間は焦らずに育成期間として捉え、スキルを磨いてできることを増やしたり、組織や自社製品を知ることに重点を置いた業務をアサインしていきましょう。
10.応募者がより良いデザイナー人生の第一歩を踏み出すためのサポート役であれ
新卒・キャリア共に採用活動の全てのシーンにおいて「応募者がデザイナーとしてより良い一歩を踏み出せるようにサポートをする」という意識で臨みましょう。
サイボウズは「チームワークあふれる社会を創る」という理想を掲げて活動しています。これは持論ですが、チームワークあふれる社会を創るにはデザイナーの力が必要不可欠だと感じています。
サイボウズにデザイナーとして入社してもらえたらもちろん最高ですが、サイボウズに限らず他の業界や会社に行ってもデザイナーとして活躍してもらえたら、世の中がチームワークあふれる社会に一歩近づくんじゃないか、そんな気持ちで採用活動をしています。
自社をゴリ押しするのではなく、応募者の強みや個性を活かせる場所はどこなのか共に見つめて、より良いキャリア選択ができるようにサポートしましょう。
最後に
デザイナー採用に携わって今年で3年目になりますが、日々発見があり奥深く面白いなと思いながら活動しています。
この記事を通して、サイボウズ デザイン&リサーチがどのようなことを考えデザイナー採用に取り組んでいるのか何となく知っていただけたなら嬉しいです。
現在サイボウズでは一緒に働く仲間を新卒・キャリア共に募集中なので、興味のある方はぜひご応募を!お待ちしております。
最後まで読んでいただきありがとうございます!Twitterもやっているので、お気軽にフォローしてください👋 https://twitter.com/shinopara_jp