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新卒デザイナーの活躍をブーストさせるプレオンボーディングのススメ

こんにちは、篠原(@shinopara_jp) です。サイボウズという会社でデザイナーとして働いています。

前回書いたBtoB企業で新卒デザイナー採用に取り組み、得た10の教訓という記事の中に「採用して終わりじゃない。活躍できる状態に持っていくための環境づくりも必要不可欠」という項目があるのですが、今回はそれを掘り下げて、どのような施策に取り組んでいるかを紹介したいと思います!

この記事は新卒デザイナーの採用や育成を担当されている方向けの内容となっていますが、これからデザイナー就活を始める学生さんにとっても、サイボウズが新卒デザイナーの採用においてどのような取り組みをしているのか知ってもらえる内容かなと思います。

プレオンボーディングとは?

内定承諾後から入社までの期間に行うオンボーディング施策のことを「プレオンボーディング」と呼んでいます。日本ではあまり聞きなれない言葉かと思います。

海外では候補者がオファーを受け入れてから入社日までの期間や、そこで行う施策のことをプレオンボーディングと呼んでいて、候補者と積極的にコミュニケーションをとってやる気を引き出し、入社初日のストレスを軽減させるという取り組みが行われています。

内定承諾から入社までに行うプレオンボーディング

そもそもサイボウズ デザイン&リサーチがプレオンボーディングを始めたのは、内定承諾後に学生さんから「入社まで何もないのは不安。何かできないか?」という声をいただいたことがきっかけです。

新卒採用の場合は長いと入社まで半年以上あるため、コミュニケーションが全くないと不安になってしまうというのはとても良くわかります。受け入れ側としても学生さんが不安を抱えている状態は避けたいです。

以前はオフィスに出社して、社員と内定者が一緒にコミュニケーションをとりながら業務を行うアルバイトを行っていたのですが、コロナが流行したこともあってその施策を継続するのが難しくなってしまいました。

そこで、お互いが使える時間の範囲でできることはないか?と考えてできたのが今回紹介するサイボウズ デザイン&リサーチのプレオンボーディングです。

プレオンボーディングの目的

プレオンボーディングの目的は、不安を取り除き入社後すぐ活躍できる状態に持っていくことです。そのために取り組んでいることが3つあります。

1つ目はチームメンバーを知ること。どんなメンバーがいるのかわからないと「入社後メンバーと上手くやっていけるだろうか…」と不安な状態で居続けることになります。内定承諾から入社までの比較的時間がある時にチームメンバーと関係性を構築して心理的安全性を高めておくと、入社後スムーズにチームに合流して業務に入ることができます。

2つ目は自社製品を知ること。サイボウズはBtoB製品ということもあり、なかなか製品に触れる機会がありません。そのため意識的に製品に触れて製品知識を深める機会が必要です。

3つ目はデザイナーとしての基礎体力をつけること。新卒デザイナーの出発点は「考えていることを相手に伝わる方法で伝える」所からだと思っています。そのために必要なデザインスキルやプレゼンスキル等を入社前から少しづつ鍛え始めます。

ここからはサイボウズ デザイン&リサーチで取り組んでいるプレオンボーディングの具体的な施策を紹介します。

週1回30分の雑談タイム

チームメンバーを知り、心理的安全性を高めるための施策です。毎回1人メンバーを呼んで内定者と雑談します。雑談のテーマは自由で、仕事のことはもちろん、趣味や好きな食べ物のことなど何でもざっくばらんに話します。

ポイントは自己開示をして会話をすることです。そうすることで短時間で打ち解けられ、相談しやすい関係性を築くことができます。

チームメンバーからは「事前にどんな新卒デザイナーが入社するのか知ることができて安心した。」というコメントをもらっていて、内定者、チームメンバー双方にとってメリットのある取り組みだと感じています。

サマーインターンのリハーサルへ参加

自社製品とチームメンバーを知るための施策です。サイボウズ デザイン&リサーチでは毎年サマーインターンの本番を迎える前にリハーサルを行っています。希望者にはそこに参加していただき、課題にチャレンジしてもらっています。

サイボウズ デザイン&リサーチのサマーインターンでは、現場のデザイナーと一緒に製品の改善案を作るという課題を行なっています。

通常の業務とほぼ同じことをサマーインターンで行うため、製品知識も身に付きますし、入社後どのようなメンバーと、どのようなコミュニケーションをして仕事を進めるのかイメージが描きやすくなります。

新卒デザイナー向け採用イベント登壇

デザイナーの基礎体力づくりの一環で、プレゼンテーションスキルを鍛えるために行なっています。入社すると自分の考えをプレゼンして人に伝えることが常になるので、予行練習としてイベントに登壇してプレゼン慣れをしておきます。

採用イベントに登壇するのは、デザイナーを目指す学生さんたちに自身の体験や知見を共有して、誰かのために貢献するという経験をしてもらうという側面もあります

自分のスキルを強化することと同じくらい、困っている誰かのために今持っている力で貢献することも重要だと感じています。そういった意識を育むために採用イベントで登壇する機会を設けています。

ちなみに昨年は、企業説明会やポートフォリオ勉強会で内定者に登壇していただきました。イベントレポはこちらです。

Cybozu Design Podcastへの出演

Cybozu Design Podcastはサイボウズ デザイン&リサーチが運営しているPodcast番組です。この番組に自己紹介を兼ねて出演してもらっています。

これもデザイナーの基礎体力づくりの一環で、会話力を鍛えるために行なっています。自分が考えていることを端的に話したり、相手の質問に答えたり、逆に質問したりするのは意外と難しいものです。

会話力を鍛えるメリットとしては、インタビューなどのリサーチ活動でモデレーターとしてラポール形成をしたり、場を回すといった力につながります。

実際に収録した自己紹介エピソードはこちらです。

noteの執筆

文章作成力を鍛えるためのトレーニングとして、社外に共有できる知見やノウハウをnoteに執筆する取り組みを行なっています。

文章作成を通して鍛えられるのは、伝わるワーディングの選定や、情報を整理して構成するスキルです。この力は製品開発のデザインを行う上で、UXライティングや情報設計といった分野で役立てることができます。

こちらは22卒のデザイナーTobiが執筆した記事です。オンボーディングの体験談について書いてくれました。

自己紹介スライド作り

こちらもデザイナーの基礎体力づくりの一環で、デザインスキルを鍛えるために行なっています。スライドは週1回30分の雑談タイムで社員がレビューし、ブラッシュアップを重ねて完成させていきます。

自己紹介スライドは3分バージョンをまず作り、時間があれば1分バージョンも作るようにしています。自己紹介にかけられる時間を考慮して、情報を取捨選択してスライドを構成する力を養うことがねらいです。

なぜ自己紹介スライドを題材にしているのかというと、入社後新卒社員はあらゆるシーンで自己紹介を求められるからです。そんな時にさっと見せられる自己紹介スライドを作っておくと落ち着いて自己紹介できますし、デザインにこだわれば相手に強い印象を残すことができます。

プレオンボーディングで新卒デザイナーの活躍をブーストさせよう!

ここまで全部で6つの施策を紹介しました。これらのプレオンボーディング施策は全て強制ではなく、内定者と相談しながらその都度取り組むものを取捨選択しています。そして、内定者が1人で孤独に取り組むものではなく、入社まで社員が伴走する形で行なっています。

プレオンボーディングに取り組んだ内定者からはこんな嬉しいコメントをもらいました!

友達の中には、内定から入社までの間に何もなくて不安になっている子もいるので、プレオンボーディングがあってありがたいと感じています。採用イベント登壇など貴重な経験をさせてもらって、他の人より先に行けている感じがします。

年内にはチームメンバー全員と話ができている状態だったので、スムーズに仕事に入ることができました。

サイボウズ デザイン&リサーチの良い風習として今後もプレオンボーディングを継続していきたいと思います。

「入社後のオンボーディングはないのか?」というと、あります!入社後はまた別のオンボーディング施策に取り組んでいて、これについては今後noteで紹介していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます!Twitterもやっているので、お気軽にフォローしてください👋 https://twitter.com/shinopara_jp