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誰かの涙を想像して

雨が窓を叩く。雨が降る日は気分も下がり気味。出かける気分にもなれない。

ぼーっと外を眺めなていた視線を手元の本に落とした。ちょうど雨の描写のシーン。今日みたいな日常シーンかと想像と現実を重ね合わせながら読み進める。

『雨は誰かの涙。』

この一文を読んだ瞬間、そういえば最近自分が涙を流さなくなったことに気がついた。読書を切り上げて、また外を眺める。庭の花から滴る雫もどこかで泣いてる誰かの涙かと想像を膨らませば、その誰かに思い馳せたくなった。
誰かのために涙するのか、悲しみに暮れて泣いているのか。

どれだけの時間そうしていたんだろう、雨が弱まって、少しずつ陽が差してきた。涙は枯れてしまったのか、もう泣く必要がなくなったのか、もうやんでしまうんだね。

どこか優しい気持ちになりながら、空高くかかった虹を見つめる。雨の日も悪くないね。

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