連載小説「クラリセージの調べ」2-1
結翔くんは、毎朝6時半に起床し、疾風のように身支度と朝食を済ませ、7時に家を出る。私はそれに備え、5時半に起きて朝食の準備をする。
朝食は、大きなおにぎり1個、野菜たっぷりの味噌汁と玉子焼き。朝食に何が食べたいかを尋ねた時に言われたメニューだが、義両親の住む母屋で食べていたものだとわかった。一人暮らしが長かった私は、離れに住んでも母親に食事を作ってもらっていたことに違和感を覚えたが、彼が環境を大きく変えずに仕事ができるのが一番なので、同じメニューを引き継いだ。食べ終