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コラボ

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クリエイターさんの作品と私の小説のコラボです。
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#番外編

謎の老人

さくらゆき
1か月前
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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む プロローグ (「澪標」シリーズよ…

この小説は、may_citrusさん原作「澪標」のコラボ小説「ただよふ」のその後の物語です。 窓の…

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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 2 (「澪標」シリーズより)

僕は澪さんから受け取った香水瓶を枕元に置くと、澪さんに手を差し出した。 「……手を…握っ…

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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 3 (「澪標」シリーズより)

翌日から、僕はリハビリを始めた。次にあなたに会う時には、少しでも快方に向かっていたくて、…

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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 4 (「澪標」シリーズより)

澪さんの休みの日と、息子の航平の海外出張が重なってしまったので、弟の千洋の運転で母がいる…

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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 5 (「澪標」シリーズより)

「もう、大抵のことでは驚かないと思っていたけれど、航が脳梗塞で倒れたということと、再婚す…

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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 6 (「澪標」シリーズより)

栃木県小山市の高齢者施設。駐車場に植えられた八重桜が、薄曇りのなか咲き誇っている。 僕と澪さんは施設の玄関前に立っていた。 「……航さん、顔が険しいです。うちの両親に会うの、止しましょうか?」 澪さんが不安そうに、僕の顔色をうかがっていた。 「大丈夫です。ちょっと緊張しているだけです」 再婚とはいえ、ご両親の大事な娘をもらい受けるわけなので、礼儀を欠くわけにはいかなかった。それに、僕にはどうしても彼らに伝えたいことがあった。 「そうですか。私も緊張しています……」 澪

【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 8 (「澪標」シリーズより)

「──およそ60年前の春、私と妻は教師の家同士のお見合いで出会いました。当時の光景は、今で…

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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 9 (「澪標」シリーズより)

「澪が上京して、年末年始しか帰ってこない状況が変わったのは、2021年、例のウイルスの影響で…

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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 10 (「澪標」シリーズより)

澪さんのご両親のいる高齢者施設を後にし、僕は澪さんの運転で、澪さんの現在住んでいる小山市…

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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 11 (「澪標」シリーズより)

空が少し明るくなってきた頃、僕は澪さんのセットした目覚まし時計のアラームで目を覚ました。…

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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 12 (「澪標」シリーズより)

新緑が眩しい季節。僕は澪さんの自動車を借り、久しぶりに運転していた。行き先は栃木県の南東…

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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 13 (「澪標」シリーズより)

益子焼の工房で、澪さんの元夫に「澪さんの夫」だと啖呵を切った僕だったが、まだ正式に澪さん…

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【コラボ小説「ただよふ」番外編】陸《おか》で休む 14 (「澪標」シリーズより)

澪さんとケンカして、アパートを出たものの、帰り道が分からず、田んぼのど真ん中で雨の中途方に暮れていると、農道に入ってきた軽自動車のヘッドライトに照らされた。 「あれ?あなたは、最近うちの店に来てくれている人ですよね?どうかされましたか?」 軽自動車から降りてきたのは、レコードカフェの店主だった。カフェの営業を終え、自宅に帰るところだったらしい。 店主はずぶ濡れの僕を軽自動車に乗せ、カフェに連れてきてくれた。僕は店舗にあるシャワーを浴びさせてもらい、店主の服を借りた。 「