就活に不安を感じている皆さんへ③
就職試験の意味するところ
一般的に学生は子供のころから、試験を受けて選別されるという経験を重ねてきました。したがって、一生懸命にがんばって勉強あるいはスポーツをすれば、成果が上がるということに慣れています。
しかし就活はやや趣が異なります。成績が良くても内定を勝ち取れるとは限りません。就職試験はまず筆記試験で振り落とされますが、それは飽くまで入口に立てるかどうかの最低水準を設定しているのです。ですから、成績の良い順に採用するなどということはありません。
就職試験は、その応募者が将来どのように会社に貢献してくれるかを測るためにあるのです。つまり、就職試験はタレントのオーディションのようなものなのです。映画やドラマの制作者や監督が、自分の作品を最も上手く表現してくれる人を選ぶのと似ています。
しかし学生はそれまでの人生で「自分を売り込む」という経験をあまりしていません。つまり自分を売り込むのが「下手」なのです。
逆に言うと「自分を売り込むこと」を練習すれば、内定が取りやすくなるのです。
面接が最重要
企業は自社に応募してくる学生の中から、短時間の面接で将来の貢献度を見定めなくてはなりません。実はこれは大変難しい仕事なのです。
学生の中には、おしゃべりが上手い人もいれば、無口な人もいます。調子よく面接者と意気投合したので採用してみたら、「口先人間」で役に立たなかったりとか、ちょっとネクラの無口な人間だけど「しようがない」なんていって採用してみたら、思慮深く信頼できる逸材だったなど、いろいろなケースがあります。
企業が避けたいことは以下のことです。
①役に立たない人間を間違って採用すること。
②素晴らしい人材だと判断して内定を出したのに、他社に逃げられてし
まうこと。
③社内の業務に合わないと言って、すぐに辞めてしまうこと。
④社内の人間と上手くチームワークを発揮できない。
逆に学生にとってみると「期待外れ」の就職には次のパターンがあります。
①就労環境が悪いブラック企業であった。
②上司や同僚との価値観が合わない。
③若い社員が少ない。
④仕事がつまらない。
個人の価値観には差があるので、良し悪しを述べるのは難しいですが、お互いこのような不幸な結末にならないためには、しっかりと相手のことが分かるよう、時間をかけて面接をする必要があります。
学生は、採用してもらうのに必死で、聞きたいことも聞けないという状態で、内定に漕ぎつけようというのは良くありません。遠慮せずに、自分の将来の職場としてふさわしいかどうか、どんどん質問をしましょう。
その意味でも、日本で一般的な「新卒学生の一括採用」という方法には無理があると言わざるを得ませんね。欧米のように、卒業後の1年間は「インターン」という立場で見習い社員的な仕事をして、使えるかどうかが分かる1年後に数を絞って正社員にするという方法が合理的なように思います。
くれぐれも、内定が取れないといって悲観することはありません。最終的には必ず自分を必要としてくれる職場が見つかりますよ。
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