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就活に不安を感じている皆さんへ

 毎年多くの学生が就職活動のために多大な時間と労力を費やしています。
あなたもその一人ではないでしょうか?
この世に生を受けて小学校に入学して以来、ずっと学校で授業を受け、先生の指導を受け、試験で良い成績を取ることだけのために勉強を続けてきたあなた。従順で記憶力が良いことが、良い成績につながるという世界で生きてきました。
 クラブ活動にしても、スポーツなどの競技種目は、勝つために一生懸命練習して、その成果が明らかになる時、実力の優劣がはっきりします。
 しかしここにきて就活をすると、何か違った世界に飛び込んでしまったという感じがしていませんか?

 就職活動というものは、そのように優劣がはっきりわからない状態で、他人と競わなければならないのです。
 何が悪かったのか全くわからないのに、ある日突然「お祈りメール」が届きます。つまり応募した会社から「残念ですが不採用となりました。あなた様の今後の就職活動が功を奏しますよう『お祈り』いたします。」というメールです。

 つらいですね。
「筆記試験ができなかったからなあ」などと思っても、今から勉強をやり直すわけにもいかず、「面接で答え方がまずかったかな」と思っても、どう答えたらよかったか誰も教えてくれない。
 1社落ちるたびに、どんどん気分が沈んでしまう。10社も落ちれば、「もう自分は就活は無理!」などと落ち込んでしまいます。

 そんなあなたに、長年国際的な企業で働いたあと、大学教員になって学生の就職指導を続けてきた私が勇気を与える、というのがこの投稿の目的です。

採用は「好み」の人を採る場

 採用は実力テストではありません。試験の成績やクラブ活動の成果などもある程度影響しますが、その企業にとって「好み」の学生を見出し、将来にわたって「好み」であり続けられるかを見極めるのが、採用担当の仕事なのです。
 その「好み」とは何でしょうか。多くの企業に共通している好みは次のような人材です。
 +一流大学の学生
 +スポーツをしている
 +明るくハキハキとしている
 +論理的な話し方ができる
 +健康である
 +感じの良いルックスをしている(これは公にはせず内心です)

 このような条件に合う人は、間違いなく希望する会社あるいは業種に就職できるでしょう。しかし、世の中のほとんどの学生は、このような条件にすべて合致するわけではないから、苦労をしているわけです。

 特に学歴については、暗黙の差別(区別)が存在していることをみんな感じています。東大や京大の学生なら、無条件でスイスイと採用まで漕ぎつけていますね。ほかの条件が満たされていなくても。
 企業の立場からすると、もちろん学力が仕事の出来に比例することを期待するわけですが、他方で「彼らが部長や役員になった時に、他の企業の幹部と学歴で見劣りがしない、という人物を抱えておいた方が良い」との思いもあるのです。東大卒や京大卒の肩書があれば、一流の顧客との商売が上手くいくとの信じ込みもあります。
 しかし、そのような考えで新卒採用を行う企業は、あとで失策に気づかされることになります。なぜならば、採用は「現在の価値観」でなされるのに対して、企業の繁栄は少なくとも今から数十年のスパンで考えなければならないからです。

 大多数の学生は、東大生や京大生のような特権を持っていないわけですから、前記のような条件に合致するよう、学生時代の経歴とパーソナリティを見栄え良くするよう努力することになります。
 皆さん、どうですか? 効果はありましたか?
私も毎年大学で、学科の学生を対象に就活対策を講じてきました。例えば、「筆記試験対策は短期間ではできない。1年生の時から問題集をやっておくように」とか、「面接は明るい顔で、大きな声を出すように」と言い続けてきました。しかし、それができる学生は多くはいないのです。

 確かに、スポーツ選手は体格が良く、大きい声で挨拶ができるので、業界を選べば内定が取りやすいと言えましょう。しかし、筆記試験や小論文が苦手な学生が多いのも事実です。
 スポーツでなくても、英語が上手かったり社会活動を積極的にやってきた学生は、引く手あまたになる可能性がありますが、凝り固まった考え方をしているとみなされると罰点が付きます。
 しかし、企業にとってもっと重要なポイントがあります。
それは「この企業に是非入りたいという意思」が確実に採用担当者に伝わることです。学生の立場からすると、「入ってみなきゃわからないのに、何を根拠に意思を明確にできるの?」と思うかもしれません。

 このように、考え方と具体的なポイントを書いていくつもりです。
 続編にご期待ください。

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