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アイドルに想いを馳せる


先日ネットサーフィンをしていた時のこと。とある動画に目が止まりました。

中国のテレビ番組で、人気音楽オーディション番組の2018年版が始まっていました。見れば私の大好きな2人のアーティストが、審査員兼指導者の立場で出演しています。 周杰倫(ジェイ・チョウ)謝霆鋒(ニコラス・ツェー)。それぞれ台湾と香港を代表するスター。

「中国好声音」というオーディション番組は、世界各国版も存在する人気番組です。4名の審査員が挑戦者の姿は見ずに声だけで審査する、ブラインドオーディション形式でスタートします。

番組の面白さについてはまた機会があれば触れるとして、そこに出演している4名の審査員のうち2名が、私の青春の記憶を呼び起こさせる歌手でした。周杰倫は既に以前のシーズンからこの番組に出演していましたが、今回は謝霆鋒も登場しています。

大学時代に中国語の勉強を始め、その魅力にすっかりはまった私にとって、中華圏の歌手や俳優は、当時憧れと崇拝の対象でした。

周杰倫は間違いなく一番心酔した歌手で、中華圏の音楽のかっこよさを教えてくれたのは、彼でした。謝霆鋒は当時から端正な顔立ちで活躍し、ゴシップでも賑わせていたと記憶しています。

それが時を経て今再び、音楽番組で2人の共演を観れるとは!彼らを初めて知った20代の頃から十数年の年月が経っているわけですが、瞬時に当時の心のときめきが蘇りました。

近年は料理人としての活躍が目立つ謝霆鋒は、「今の2000年代生まれの子達は、僕のことを料理人として認識している。」と言っています。逆に若き頃しか知らない私からすれば、多方面での才能を開花させ、人としての成熟を感じさせる彼に、アイドルも成長するんだな、と当たり前のことを思ってしまいます。

と、彼らの今の姿に、過去と現在の自分が共鳴したところで、アイドル的憧れの存在とは、何も歌手や俳優に限ったことではなく、もっと身近な所にも存在していたなと思い至りました。

20代の頃、通っていた美容院の女性美容師さんの、ヘアスタイル、ファッション、全体の雰囲気が大好きでした。こんな風になりたいなと、鏡越しにいつもお姉さんを見つめていました。

お姉さんがその美容院を辞めてからも、紹介されてもいないのに、その後の勤め先美容院を探し出して通いました。「わざわざ私を探して来てくれたんですか?」と聞かれても、気恥ずかしくて、「たまたま美容院を探していたらお名前を見つけて…」としか言えなかった当時の私。

そんな訳でお姉さんは、ご自身が私にとっての憧れの存在であったとはご存知ないはずです。隠れファンであったわけですが、もし今お姉さんに再会しても、あの時抱いたときめきは瞬時に蘇るであろうと確信しています。

美容師さんは比較的ファンを得やすい職業かもしれませんが、それでもそんな風に知らない間に、自分が誰かの心の中で憧れの存在になっているってちょっと不思議で、ちょっと素敵ですよね。

誰もが人生の中で、例え一瞬であったとしても、誰かにとってのアイドルになれますように。

思いがけずネット越しに再会した2人の中華圏アイドルから、そんなことを思ってみました。

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