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ESG投資のレポート2020版がでた2/日本の動向部分をピックアップしました

本記事は、ESG/SDGs/CSVに関しての個人的な学びのアウトプットです。前回は、ESG投資の普及を進める世界持続可能投資連合(GSIA)による隔年発行のレポートの2020版が2021/7/19に公開になりましたので、ざざっと中身を見てみました。今回はレポートの後半に記載の各地域の動向から、日本を取り上げたいと思います。

レポートは以下からダウンロードできます。
GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW 2020

日本のESG投資の制度・規制の動向

以下の4つを成長ドライバーとして挙げられています。

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(経産省)
->これを受け菅首相は2050年までのカーボン・ネット・ゼロを宣言
クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(金融庁、経産省、環境省)
->ICMA(国際資本市場協会)のClimate Transition Finance Handbookにそった基本方針
「コーポレートガバナンス・コードと投資家と企業の対話ガイドラインの改訂」(日本取引所)
->持続可能性、気候変動、人権などを明記
スチュワードシップ・コード(再改訂版)の確定について(金融庁)
->持続可能性について明記

産業の協調(Industry Collaboration)

サステナビリティーのための産業界の協調はより一般的になっているとし、「ESG情報開示研究会」をその代表例として挙げられています。2021年時点で83の企業・機関投資家やその他8つの団体などが、ESGの情報開示の効果的な情報開示に必要なフレームワークや実践例の蓄積、よりよい意思決定のためのステークホルダーや投資家との共通理解の促進などを行っています。

研究会のページによれば、設立会員・正会員として、以下の企業名が並んでいます。私の所属するNECは、一般会員も含め名前があがっていないですね。。。金融系、コンサル系の会社が多いですね。あとは各業界から、といったところでしょうか。

ESG情報開示研究会の設立会員・正会員(略称で記載)
日立、EY、KPMG、デロイトトーマツ、PwC、三井住友トラストアセットマネジメント、味の素、アセットマネジメントOne、花王、KDDI、ゴールドマンサックス、セブン&アイ、SOMPO、Takeda、TEPCO、日本生命、大樹生命、ニッセイリース、みずほ、三井住友信託、MUFG、格付け投資情報センター、積水ハウス、AGC、SMBC、日産、アサヒ、出光、りそなアセットマネジメント、オリンパス(以上、30社)

消費者の動向

ESG製品に対する投資家の需要は高まっているとし、一例として2020年7月にスタートしたグローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(愛称:未来の世界(ESG))を挙げ、史上2番目の初期投資額となる3830億円を集めたと紹介しています。以下、最新情報を見ると純資産額1兆1282億円となっています。

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運用状況(出典こちら

また、2021/7/19に、「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド」の組入上位銘柄の紹介レポートが出ていましたので、ちょっと覗いてみました。

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なんか、すこし複雑な気持ちになる上位10社です。IT系が多いんですね。やはり無形資産型にいってますね。パフォーマンス面でみてそうなりますよね。Netflixでなく、ディズニーが入っているのが少し不思議な気持ちっです。各社の評価ポイントについて半ページずつ紹介されているので、関心のある方はぜひレポート(こちら)を見てみてください。

ウーバーなんかは、労働争議があったように記憶していますが、レポートの中では、以下のように評価されていました。

【ESG評価ポイント】
テクノロジーの活用により効率性の高い交通網の実現に寄与しています。米国や欧州では2030年までに使用車両の100%を電気自動車にする目標を掲げています。また、従業員間の多様性およびインクルージョン(本来の自分が尊重され、平等に扱われること)の促進にも積極的に取り組んでいます。

市場の動向

GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW 2020にもどります。市場の動向としては、世界の投資家が日本企業のESG改善、特にガバナンスの気候変動に関して、活動を強めている。例えば、世界の株主アクティビストは株主総会で、取締役会の独立性と多様性について強く訴えている。一方で、日本政府による規制変更は株主アクティビストによる総会への提言数を制限するなど、対立も生じている、としています。

またサステナブル投資をポジティブな成果を生み出す主要ドライバーとしていく取り組み状況は、まだまだ初期フェーズであるとし、2016年に、ソーシャル・インパクト・マネジメント・イニシアティブ(SIMI)が設立され、日本企業によるソーシャルインパクトを生み出すプロジェクトの促進が行われていく、と紹介しています。

日本の動向の最後として、GSIRの日本のアカウント組織であるJSIF(日本サステナブル投資フォーラム)の白書が紹介されています。

日本語版は無料公開は第1部だけで、第2部以降は有償(2500円)となっていますが、以下の英語版は無料となっています。また、時間のある時に見てみたいと思います。

以上、本日は2021/7/19に発行されたGLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW 2020から、日本の動向についえの部分をピックアップして、学びを共有させていただきました。世界全体の動きについては、以下の投稿をご参照ください

このほか、当方のESG/SDGs/CSV関連の記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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