抽象化パワーを高めるには?逆1on1のすすめ

私は3人のチームメンバーのマネージャーをしています。いわゆるチーム定例のほかに、2週間に1回、一人ひとりと1時間、1on1の時間を設けています。

1on1は、チームメンバーの成長のために、経験学習を効果的に回すための壁打ちの時間です。経験を振り返り、教訓も見出し、次の経験に応用することを考える時間です。私の役割は、そのための時間と壁になることです。

1on1自体については、以前に、以下にいろいろ書いたのでご参照ください。

先日、友人の本の書評Podcastに「ヤフーの1on1」を紹介しに行ってきました。その様子は以下で聞くことができます。その際に、逆1on1というのにもトライしているという話をしました。

逆1on1ってなんだ?

名前から想像がつくかもしれませんが、逆1on1とは立場が逆で行う1on1です。つまり私がチームのメンバーに1on1をしてもらいます。チームのメンバーに聞き役、記録役になってもらい、私が1週間や2週間あったことを振り返りながら、その中でどんなことを考えたり、悩んだり、解決先を導き出したりしていたのかを言語化します。この課題~解決策あたりがちゃんと言語化できると教訓化はだいたい成功です。

問題は次の応用です。ここで自分がいままでチームメンバーにやっていた、メモをとって思考の外に吐き出しながら1on1をやる手法の威力を感じました。

教訓化が現状認識にとどまって、応用でズレる

いままで、自分ひとりで振り返っていたときは、視線が常にいま取り組んでいる案件の次のステップのことばかり見ていました。なので、応用が結構おざなりになっていました。つまり、次目の前にある課題を解決するためにはどうするか?に視点がズレていました。せっかく行った教訓化が、「ここまでは解決できた」、という現状認識になってしまっていました。

このとき、他人がメモを取ってくれていて、教訓化されたことが、目の前にテキスト化されている。しかもそれが他人のフィルターを通って言語化されているので、客観視がしやすいと感じます。しゃべることに専念できているし、視覚や自分の声を自分の耳で聞くので聴覚など五感が研ぎ澄まされるのかもしれません。

応用って、抽象化・汎用化なんだなぁ

とにかく、教訓化されたものを見ながら、自分の中で、はじめて「これを抽象化・汎用化すると何なのだろうか?」と考える思考回路が回転しはじめました。これは、具体例を示したいところなのですが、なかなかそれ自体が抽象的なのですが、いくつかご紹介します。

脳にフラグを意識的に立てることがセルフグロースにつながる
ある事象について考え続ける、というフラグを立てることで、引き寄せの法則じゃないが、必要な情報が集まりやすくなる。これは脳の空白の法則。人は、問いを立てるとそれを解決したくなる、ということでもある。

ファシリテーターはプロセスキーパー
ピュアにファシリテーターをやることで心に余裕ができ、目的からの逆算、プロセス達成のためのメリハリ(取捨選択)が実現できる。コンテンツ(事業アイデアなど)を作るリーダーがこれを兼ねると破綻する。これは時間的余裕の有無とは別の次元の問題で、ロールが違う。

なんのこっちゃという感じかもしれませんが、こういったレベルの学びの抽象化が1時間くらいの1on1の中で3,4つ出てくる、というのは私の体感的には学びの速度が2,3倍になっている感じです。

逆1on1で効果があるかもしれない副次的効果

これは、自分が勝手にそう思っているだけかもしれませんが、進捗定例みたいなのって、ただのホウレンソウになるだけで、表面的な内容になってしまいます。それに対して、逆1on1をすることで、チームメンバーにとって私自身がより身近な人間として見えるかもしれません。そういったことが、組織やチームの心理的安全性にもつながったりするんじゃないなかぁ、なんて思ったりもしています。

最後に、友人のPodcastで紹介した「ヤフーの1on1」を、友人の言語学者ナリタくんはちゃんと読んできてくれて感想を聞かせてくれました。以下からその感想会を収録した対談のPodcastが聞けます、興味のある方は聞いてみてください。

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しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie


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