「コア・コンピタンス経営」を「世界標準の経営理論」のRBVと読み解く#1章-6
「ビジネス名著大全」という、ビジネス名著90冊を厳選し、1冊6ページくらいでまとめてくれている、ありがたい本があります。それを横暴にもさらにスライド1枚にまとめてみました。六週目に入りました。第一章 思想・戦略の六冊目は「コア・コンピタンス経営/ゲイリー ハメル, C.K. プラハラード 」です。
1枚まとめと学び
コンピタンスの分析というとVRIO分析:経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Imitability)、組織(Organization)ってフレームワークが定番かと思いますが、こちらのまとめでは、未来の競争戦略を考えるときに、未来から今を振り返る、バックキャストで考えた時に、今の強みのうち何が残っているのか?それを考えるためには、市場をリフレーム、まったく違う枠組みで捉える必要があって、そのための一つの切り口として機能に焦点を当ててみることを挙げています。これは多分、機能というよりも、価値といった方がいいんだと思いました。
世界標準の経営理論と読み解く:RVB
今回は、コンピタンスについて「世界標準の経営理論」と合わせて読み解いてみたいと思います。経営理論でいくと、コンピタンスはRBV(Resource based view)というバーニーの理論が基礎になっていると思います。
リソースを投入して、アウトプットを生み出す。このとき、リソースに着目するのがRBVです。対をなす理論としては、ポーターの競争理論の基礎となっているSCP理論があります。SCP理論はアウトプットされる市場の構造・戦略に着目するという違いがあります。
RBVでは他社と差別化するリソース(つまりコンピタンス)について明らかにする理論となります。そのエッセンスは以下と説明されています。
バーニーのRBVのエッセンス
企業リソースに価値があり、稀少なとき、その企業は競争優位を実現する
そのリソースが模倣困難で、代替が難しいとき、その企業は持続的な競争優位を実現する
「世界標準の経営理論」では、RBVの理論の課題の一つとして「Howがない。どうリソースをどう選び、組み合わせ、活用すれば良いかが、わからない」ことを挙げています。
その上で、RBVで使えるフレームワークとしてアクティビティ・システムを紹介しています。アクティビティシステムは下図のように、企業のビジネス行動のつながりを図示したものです。
RBVのメッセージは「ライバルからの模倣を困難にするには、複雑で一貫性のあるアクティビティ・システムを築くべき」であり、コアコンピタンスとは、このアクティビティ・システムのことではないか、と私は思いました。
コアコンピタンスの正体
「ライバルからの模倣を困難にする、複雑で一貫性のあるアクティビティ・システム」
「ストーリーとしての競争戦略」と読み解く:一見して非合理
これを書いていて、もう一つ思い出したことがあります。それは「ストーリーとしての競争戦略/楠木建」です。この中でとても印象に残っているのは「長期的に優位性が持続するストーリーには"一見して非合理”に見える部分が存在する」というメッセージです。
これは、先ほど図を上げたサウスウエスト航空の戦略でいけば、Boeing737しか使わないとか、機内食を提供しないとか、短中距離しか運航しないとか、当時からすれば個別の部分を見ると非合理に見えます。しかし、全体としてみると、そのことによって、コスト削減・生産性向上の達成につながっています。
「ストーリーとしての競争戦略」のメッセージの一つも「ライバルからの模倣を困難にする、複雑で一貫性のあるアクティビティ・システム」なんだな、と思いました。
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しのジャッキーでした。
Twitter: shinojackie
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