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世界経済の半分以上は自然に依存してるらしい by. 世界経済フォーラム

本記事は、ESG/SDGs/CSVに関しての個人的な学びのアウトプットです。

2021年6月にTNFDが発行した「NATURE IN SCOPE」というレポートの中に「世界経済フォーラム(WEF)の推定によれば、自然に 対する依存度が中等度または高度に該当する 経済活動は、世界の経済の産出量の半分以上 (44 兆米ドル分の創出された経済価値)」という言及があり、中身が気になったので調べてみました。

ちなみに、「NATURE IN SCOPE」読んでの学びまとめは以下

上記の出典となるレポートはタイトルからして思いっきり以下ですね。

レポートは2020年1月19日に出たニュースリリース。詳細のレポートは以下(PwCの協力により作成されたもの)

Nature Risk Rising: Why the Crisis Engulfing Nature Matters for Business and the Economy

https://www3.weforum.org/docs/WEF_New_Nature_Economy_Report_2020.pdf

ニュースリリースから以下いくつかキーワードをピックアップしてみました(注:英語の理解が正しくない部分があるかもしれません)

  • 企業はこれまで考えられていたよりも自然に依存しており、約44兆ドルの経済的価値の創出は、自然に中程度または高度に依存

  • 自然大きく依存する産業トップ3は、建設(4兆ドル)農業(2.5兆ドル)食品・飲料(1.4兆ドル)

  • 163の産業部門とそのサプライチェーンを分析

    • サプライチェーンの付加価値(GVA)の50%以上が自然に中程度依存する以下6つの産業が特定された

    • 「化学・素材」、「航空・観光」、「不動産」、「金属・鉱業」、「サプライチェーン・輸送」、「日用品・小売」

  • 生態系が提供するサービスの代表例:受粉、水質、病害防除

  • 国・エリア別では、大国が大きな自然により影響を受ける産業を持ち、それぞれ中国(2.7兆ドル)、EU(2.4兆ドル)、米国(2.1兆ドル)

  • 自然の喪失はもはや外部経済ではない

  • 自然関連リスクはERM(エンタープライズリスク管理)およびESGプロセス、投資の意思決定、財務・非財務報告などの既存のシステム組み込み可能

    • 多くの企業が組み込み済みのTCFDが活用できる(篠崎注:つまりTNFDによって組み入れられるようになる、ということと理解)

ニュースリリースからも、かなり広範囲の影響があるトピックであることがわかります。特に建設(4兆ドル)農業(2.5兆ドル)食品・飲料(1.4兆ドル)が大きく自然に依存する産業ということでした。一方で、これらの産業は、自然に依存し、かつ、経済活動を通して自然に対して負の影響を多く与えている産業という理解でいいのかが、気になりました。

まぁ、自然に対して負の影響を与えてそうだな、とは思うのですが。

気候変動においては、CO2排出が多い産業、例えば石炭産業、石炭火力発電などに対してダイベストメントが行われました。一方で、生物関連リスクの場合は、単純に建設、農業、食品・飲料産業にダイベストメントというわけにはいかないでしょう。なにせ、石炭産業や石炭火力とちがって、代替製品・サービスがないので。

TNFDが企業の評価に組み込まれていく過程で、自然界への悪影響が高い企業が淘汰され、コストを支払ってでも自然界への影響を下げ、むしろポジティブな影響を与える企業に投資が集まるような仕組みが構築されていくようになるといいな、と思いました。そういう方向に向かって進めよう、というのがTNFDでもあるのだと再認識しました。

詳細が気になる方は、ぜひ、以下のレポートも見てみてください。日本語版出てるのかな。。。

Nature Risk Rising: Why the Crisis Engulfing Nature Matters for Business and the Economy

https://www3.weforum.org/docs/WEF_New_Nature_Economy_Report_2020.pdf

おわりに

このほか、当方のESG/SDGs/CSV関連の記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。またフォローや記事への「スキ」をしてもらえると励みになります。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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