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【ぼくの眼科物語】

(はじめに)

 小説を書いてみようかと思いました。長い
ものではなく、一気に読んでいただけるであ
ろう、1回の掲載文字数を 横20文字 ✕ 30行
くらいで。毎週月曜日に noteへ 投稿する。
そんな目標を持ちながらやっていこうかなと。
どうぞ、よろしくお願いいたします🙇‍♀


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    イラストお借りいたします。
     ありがとうございます。
連載終了まで使わせていただきたく思います。

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 ぼくの眼科物語 ①

 患者様であふれている眼科医院の駐車場係
の仕事に就いてから七年になる。珍しいと思
うのは、駐車場警備というのは大概警備会社
に頼むか、業務を委託するかたちで病院とは
無関係の人が勤務するものだろう。ぼくもそ
う思っていた。うちが特別なのかもしれない。
ぼくは直接病院からパート職員として雇用さ
れ、これまた珍しいことに医療にはまったく
関与しない駐車場専門の部署(と言ってもぼ
くひとりの勤務)として働かせてもらってい
る。患者様の半数近くは病院の職員という認
識はないかもしれない。八時に勤務開始のと
ころ七時四十五分に現場に立つ。まずゴミ拾
いと職員専用駐車場の草むしりから始まり、
ある程度患者様の車で駐車場が埋まるまでは
自由に停めていただく。スペースがなくなっ
てきたり、狭い奥の場所しか空いていない状
況になると、車種にもよるがバックで入るよ
う大きく腕を使い掛け声と共に誘導していく。
三十五台停められる駐車場が満車になったら
隣接するコインパーキングに停めていただく。
一連の作業だ。もちろん駐車料金は病院が全
額負担。(朝、事務所より預かったお金でぼく
が払う仕組み)コインパーキングの操作も仕
事に含まれていた。
 患者様はひっきりなしにおみえになられる。
夏は炎天下のもと、冬は寒風吹き抜ける空の
した、事故のないよう目を配り、いつも忙し
かった。それでもぼくは、充実した生活を送
っていたのだと思う。ある出来事に遭遇する
までは。

       
               (つづく)  
  
       この物語はフィクションです。
  次回は17日(月)にご来院くださいませ。


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