顔に責任をもて

すでに家を離れて家庭をもっている亜希の娘27歳は
実家にもどってくるたびに、昔のアルバムを引っぱり出して眺めるのが好きだ。

今回の訪問でも、行方知れずになっていた自分の子ども時代の写真の束をみつけだして
気に入ったのをスマホで撮影して保存している。
そのなかで、彼女が仲良くしていて「おかあさん」と呼んでいる、亜希の母親の40歳代くらいの写真をみつけた(亜希のことは「ママ」と呼んでいる)。

孫にはまるくなってから接しているので、亜希の娘には亜希のようなトラウマはないが、
いい母親面して支配的かつ暴力的、精神虐待的だった母親に非常に苦しい思いをして、大人になっても連絡を取り合い、会うとささやかなことでも病んでしまうので、ここ数年は縁を切らせてもらっている母親だ(亜希の娘は、直接連絡をとりあって会っている)。

「おかあさん、顔きついな~」
と、その40歳代の亜希の母親の写真をみて言う。
のぞいてみると、以前は気づいていなかったけれど、確かに性格のきつさが顕著に顔に出ている。

よく、「40歳以上は、自分の顔に責任をもて」と言うけれど
たしかに、考え方、意志の持ち方、立ち居振る舞いが蓄積されて、顔に反映されてくる。
「くわばらくわばら。やっぱり、自分の在り方には気をつけていこう」
とあらためて亜希は思った。


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