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【魚コレクション 011】 チダイ/チコダイ

食材の知識マガジンのなかで魚に特化したのが「食べる魚コレクション」マガジン。


チダイ/チコダイ

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分類

スズキ目→スズキ亜科→タイ科→ハチビキ属→ハチビキ

名前

和名:チダイ、チコダイ、血鯛
学名:vynnis tumifrons (Temminck and Schlegel,1843)
英語:Crimson sea-bream

和名の由来は、鰓ぶたの後縁が血がにじんだように赤いことから。マダイよりも小さいので「小鯛(こだい)」と呼ばれている。


形態

SL(スタンダードな長さ)40cm前後。鰓(エラ)ぶたの後ろが筋状に赤く血がにじんだように見える。尾鰭のいちばん後ろ側の縁が黒く縁取りされない(真鯛は黒く縁取りされえている)。背ビレの第3・4棘が少し糸状に伸びている。細長い紡錘形。全身が赤く、背の方が濃い。下あごが上あごよりも前に出ている。

値段

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9月:宮城県産2匹で 626円(税込)。25cm程度。

生息域

海水魚。大陸棚上の岩礁・砂礫地・砂地。
北海道南部〜九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋沿岸、瀬戸内海。

生態

孵化した稚魚、幼魚は内湾で生育。 1年で13センチ前後になる。成長したものは冬は水深60メートルから80メートルの深い場所へ、暖かくなると浅い場所に移動する。チダイ頭部は、大型になるとおでこが目立って隆起してくる。

産卵期

秋。北にいくほど早く、秋田県、山形県では7月から10月。九州西海岸では9月から11月。

概要

日本各地の沿岸に普通に見られる、中型魚。国内でとれる赤い鯛3種(マダイ、チダイ、キダイ)のひとつ。マダイ、チダイ、キダイの順で高い。底引き網や定置網、釣りなどで獲れ、ときにまとまって水揚げされます。幼魚と成魚で利用法が異なります。まとまって獲れるので、折り詰めの焼きものなどに多用されていましたが、最近ではチダイの焼き物は高価なものとなり、海外などから代用のタイが輸入されています。江戸前を代表する魚のひとつ。「春日子(かすご)」自体が東京の魚河岸言葉。江戸前ずし誕生期からのネタ。

市場では年間を通して入荷があります。関東で主に需要が高いのは「春日子」と呼ばれる片身一貫出来る大きさのもの。三枚に卸した片身がちょうど1個ににぎり寿司になる大きさ。1匹で2かんの握りができる勘定。中途半端な大きさになると「塩焼きサイズ」などと呼ばれます。旬の大きなもの、鮮度のいいものも需要は高く値段は安定しています。

小鯛と呼ばれるタイ科の魚は、西日本ではキダイが多く、東日本ではチダイが多い。大型は白身、小型は光りものとして取り扱われます。

産地の漁獲量の多い順は、長崎県、山口県、島根県、山形県。日本海側でたくさん揚がります。


選び方

赤い色合いの鮮やかなもの。目が澄んでいるもの。

春から夏まで脂がのっている。産卵期に幅があり、地域差があります。

食べ方

鱗は薄く、取りやすい。皮は強いがあまり厚みはない。骨はあまり硬くはない。
透明感のある上質の白身で熱を通しても硬く締まらない。身離れがいい。

「チダイは振り塩をして冷凍保存してもいいが、素焼きにして冷凍保存するのがいちばん良いそうです。この素焼きを昆布出汁で煮て、同じ煮汁で白菜などの野菜を煮る。煮汁と白菜、タイを同時に食す」。(ぼうずコンニャク市場魚介類図鑑より)

チダイの刺し身

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9月産卵前(真子があった)のメスのチダイを刺し身にしてみました。マダイより脂が重くない。甘い。食べ飽きない旨味があります。三枚に下ろして皮を引いて刺身にしました。ほんと美味しい。

チダイの皮霜造り

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三枚に下ろし、腹骨、血合い骨などを取り、皮目に湯をかけて氷水に落とす。水分をよくきり、刺身状に切る。刺し身とはまた別の味わい。皮目に甘味と香りがある。

チダイの酢じめ

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マダイと比べるとやや水分が多いチダイなので、酢と塩で締める。小振りのものを水洗いして、振り塩をし、水分が上がってきたらさっと酢で洗い、一度ペーパータオルなどで拭く。これを再度、甘酢(にしましたが、生酢でも)につけて出来上がる。これまた美味い。

チダイの出汁

大根と長ねぎと焼いたアラや中骨で出汁をとってみました。冷めると少し生臭さがでました。焼きがたりなかったか。それでも上品。

白汁魚王

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魯山人のレシピから。酒が少なすぎた。もう一回作ってみる。

真子の煮付け

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昆布、醤油、砂糖、みりん、鷹の爪少しのタレで真子を煮た。落し蓋をして、一度冷めてから食べる。山椒を少しかけてもうまい。酒のあてになる。


まだ作っていない料理

•チダイのマリネ

•チダイの塩焼き

•チダイの若狭焼き
若狭焼きとは、甘鯛などうろこの細かい魚をうろこがついたまま焼くこと。酒または酒にしょうゆを合わせたたれ(若狭地)を皮にかけながら、うろこが逆立たないようにこんがりと丁寧に焼き上げ、うろこごと食べる。

•チダイの塩焼きポルトガル風サラダ

•チダイの潮汁

•チダイの煮もの

•焼き鯛と白菜の汁だくさん煮

•チダイの炊き込みご飯

•チダイの天ぷら

•チダイのフライ

•鯛飯南予風

•鯛そうめん

•鯛かぶら

•小鯛の佃煮 

•開き干し



参照


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