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『日本の祭と神賑(かみにぎわい)』

おかげさまで、拙著『日本の祭と神賑~京都・摂河泉の祭具から読み解く祈りのかたち』(創元社)が三刷となりました。

この本では、漠然と「祭」を捉えるのではなく、まず、祭の構造を理解するとともに、神輿や御迎(おむかえ)提灯、太鼓台、地車(だんじり)、獅子舞いといった祭具・芸能を分けて、その出自から捉え直しました。

とくに、祭を神事と神賑という二つの局面に分けてることで、祭の本質が、二次元の絵が三次元の立体になるかのごとく、ありかりと立ち上がってきます。

このマガジンでは『日本の祭と神賑』を、より楽しんでいただけるように、本文を少し異なる角度から解説して参りたいと思います。

森田玲『日本の祭と神賑』創元社
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日本の祭と神賑

神輿は『神職宝鑑』の挿絵。手前の宮型の神輿は京都特有の形態です。
右上の太鼓台(布団太鼓)と左下の台舁(だいがく)は『郷土研究  上方』の表紙です。表紙の背面には英一蝶の描いた伊勢大神楽の獅子舞の絵を配しています。

この時は、あまり地車(だんじり)色を出さないで、祭の神事的な側面を強調したいとデザイナーさんに伝えたので、地車は少し薄い色で目だっておりません。この絵は『日本唐土二千年袖鑑拾遺』の松川半山による挿絵です。

帯にある「祭は誰のものか?」は、私の祭研究のテーマです。「○○は誰のものか?」は、恩師の秋道智彌先生(国立民族学博物館・総合地球環境学研究所名誉教授)の受け売りです。

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