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日本だんじり文化論 校了

ついに戦いが終わりました。下準備に1年、本気モードで半年といったところです。今回の執筆を機に、いったん私の地車研究に終止符を打ちます。本書は、その覚悟をもって取り組みました。だんじり囃子を聞いてから半世紀にわたる「地車研究」に悔いはありません。そろそろ「しまい太鼓」の時間です。本書が、地車文化の継承発展に少しでも役立つことができれば、筆者として幸いです。

日本だんじり文化論-摂河泉・瀬戸内の祭で育まれた神賑(かみにぎわい)の民俗誌 〈創元社〉予約受付中

6月17日発刊予定です。ご予約はお近くの書店、創元社Amazon、篠笛文化研究社→オンラインストア でも承っております。

このマガジンでは、『日本だんじり文化論』を、より楽しんでいただくために、本文の内容を異なる角度から解説して参りたいと思います。

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表紙の絵は幕末から明治にかけて大坂で活躍した松川半山の絵(摂河泉文庫蔵)に加筆・彩色を施したものです。妻の香織さんにお願いしました。本文で詳しく述べていますが、これは「絵解き」になっていて、地車はニワカと呼ばれる滑稽寸劇を披露するための舞台であったことが暗示されています。

右上の絵は『守貞謾稿(もりさだまんこう)』に掲載され挿絵です。玩具のように見えるかもしれませんが、大坂三郷域では、幕末でも、このような粗末なつくりの地車(だんじり)がほとんどでした(これは、あえて、粗末なつくりにしています)。

真ん中の船は、地車のモデルとなった豪華絢爛の川御座船で、『摂津名所図会』巻之四に掲載のものです。

唐破風(からはふ)二棟造の典型的な地車の姿と、地車の成り立ちを加味した表紙に仕上がっております。デザイナーさんに感謝です。

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