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【音楽用語解説】Adagio(アダージョ)とは?

音楽用語はほとんどがイタリア語

今日は音楽用語の解説です。楽譜に記されている音楽用語のほとんどはイタリア語ですのでちょこっとイタリア語のお勉強にもなります(笑)

何でイタリア語が主流なのかというのは、16世紀に活版印刷の技術が発達したことによって楽譜の大量流通が可能になったことと、当時の音楽の中心地がイタリアであったことが大きく影響しています。

例えば、バロック期の作曲家であるj.s.バッハ(ドイツ出身)の原譜にはほとんど音楽用語が記されていませんが、同時代イタリアのヴィヴァルディやスカルラッティの楽譜にはallegro.prestoなどしっかり音楽用語が記されています。これは用語を記す慣例が当時まだドイツにはなかったことを表しています。イタリアの方が先だったわけですね。

音楽用語には音符だけでは記すことの出来ない情報を少しでも多く伝えるために用いられます。テンポや強弱、情感についてなど色々な表現がありますが、ちょっとずつ紹介して行こうと思います。

Adagioの意味

はい、ではAdagioについてですが意味はこちら↓

·ゆったりと
·慎重に
·安らいで

一般的には「ゆっくりと」という意味で用いられる用語ですが、語源をたどっていくと面白いことがわかります。

Adagioとは"A(d)+agio"という語源から成立している言葉です。"agio(アージョ)"には「くつろぎ」「ゆとり」といった意味があります。ですからAdagioには速度的な意味でのゆっくりだけではなく、気持ちの「安らぎ」といったニュアンスが含まれています。

さらに、Adagioには「注意をして」「デリケートに」という意味もあります。ゆっくりと、丁寧に音を慈しむような曲·演奏が安らぎを生んでいるのでしょうか。

Adagioの曲を聴いてみよう!

では、Adagioの曲はどういうものがあるか聴いてみましょう!

サミュエル·バーバー「弦楽のためのアダージョ」

1938年初演。元々は弦楽四重奏曲第1番の第2楽章として作曲されましたが弦楽合奏用に編曲されました。ドラマや映画での使用多数(エレファントマンなど)。
ジョン·F·ケネディの葬儀でこの曲が使用されて以来、葬儀で使われることが多くなりますが、バーバー自身は「葬儀のために作ったのではない」と不満を述べていたそう。

日本では昭和天皇が崩御あそばされた際にNHK交響楽団の演奏が放映されました(って、知った時にめちゃ驚いた)。

物悲しさの中にも包み込まれるような美しい旋律が魅力的な曲です。

マーラー「交響曲第5番 第4楽章 アダージェット」

マーラー中期の作品であり、代名詞的存在とも言える曲。アダージェットとはアダージョよりもやや速くという意味なので厳密にいえば違うのですが、紹介したかったので入れちゃいました(笑)

この曲も映画で使用されています(ベニスに死す)。
まさにデリケートに、慎重に演奏しなければ壊れてしまいそうな繊細さを持つ曲です。

以上、Adagioについての解説でした!今後も少しずつ音楽用語について書いていきますのでどうぞよろしく。

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