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短歌アイデア帳006「パズル的」

五と七で作る歌の欠片(かけら)

 ご存知のように、短歌は五七五七七の三十一文字の詩歌です。では、この中に、二つの隣り合わせた句で出来る音のリズムがいくつあるか考えたことってありますか?実際に調べてみると以下のようになります。
 
 ①五七 ②七五 ③七七

 3通りです。『あれ?「五五」は?』と思った方は、よく見てください。五と五が隣り合わせになっている場所は実は、ないんです。ですから、この①〜③の3つしかありません。ちなみに、五七は「第一句と第二句の組み合わせ」そして「第三句と第四句の組み合わせ」の2か所に出てきます。七五と七七はそれぞれ1ヶ所ずつです。


部分をまず詠み上げる

 そこで、僕のように、短歌を詠むのに手こずって時間がかかり過ぎる人やいきなり一首を詠むのは厳しいという人のために、試しにこんなことをしてみたらどうかというご提案。それは、部分から作り上げていくやり方です。特に、PCのテキストエディタやワープロソフトを使って短歌の記述をするときは、僕はこんなふうにやっています。
 
 例えば、「糸」という言葉を歌に読み込むというお題で考えた時、思いつくフレーズを上記の①〜③のうちのどれか一つの形で詠みます。5分間ほどで、ただひたすら、思いつくものをPCの画面を見ながら打ち込んでいきます。3〜4つくらい出来れば、とりあえずはいいと思います。

・〜〜〜君と僕とを/つなぐ赤い糸(七七・字余り)
・〜〜〜もつれた糸は/もうほどけない(七七)
・〜〜〜赤い糸など/信じていない(七七)
・〜糸でつないだ/紙コップ〜〜(七五)
・タコ糸が/切れた凧なら〜〜〜、〜〜タコ糸が/切れた凧なら〜(五七)
・糸で縫う/なんてことなど〜〜〜、〜〜糸で縫う/なんてことなど〜(五七)

 上記の中、「〜」は未定の句を表します。時間のある時、これくらいのことなら簡単にできそうでしょう?僕は、実際にやっています。ここから、前または後ろを付け足して全体を構成するというやり方です。この部分がしっかりしていれば、あとはお飾りのようなものなので、より効果的に情景が伝わるような言葉を付け足していけばいいわけです。上でも述べましたが、七七型と七五型は、もう句の位置が決まっていますので、そのまま足りないところを付け足します。が、五七型は2か所あるので、どちらがいいか考えてやってみてください。余裕があれば両方やってみると面白いかもしれません。遊び感覚で楽しく取り組めます。

パズル的な思考のトレーニングにもよい?

 これらのフレーズを打ち込むファイルを専用に作っておいて、そこで作業すればデータを散在させずに済みます。時間に余裕のない人の時短のアイデアとして有効なのではないかと思っています。ひたすら思いつくまま無心に打ち込んでいって大丈夫です。あとで、見つけるときには、エディタの検索機能を使えば、簡単に見つかりますからね。また、パズルと同じで頭の体操にもなりますよ。認知症予防やボケ防止などにも効果があると思います。僕自身の体で臨床的に実証済みです(笑)よかったら、お試しください。なお、さらに詳しい具体的な例は、以下のブログの過去記事に掲載してありますので、興味のある方は、ぜひ、そちらも参照してみてください。
 
★amebaブログ『若夜の詩作トレーニング』、
記事名:「パズル的構成法」01〜03(2021年8月16日〜18日)
URL: https://ameblo.jp/shino-waka/