20. 【読書編】マルクスの『資本論』を読みたい 〜現代まで続くマルクスの影響〜②
Buongiorno a tutti!
今回は前回に引き続き、マルクスの『資本論』についてざっくりした情報をお伝えして、みなさんの興味を掻き立てていければと思います。
※あくまでも私個人が調べた見解を述べるだけで、厳密な考証は行なっておりません。現在進行形で起こっていることにも関わることなので、この記事は個人の意見としてご覧ください、
・「資本論」出版までのざっくりした背景
マルクスが『資本論』を出版するきっかけとなったのは、まず18世紀以降の産業革命があげられます。
それまでの封建制とは違い、少数の資本家たちが投資をして工場を建て、そこで人々を働かせて、その利益をまた投資に回し設備を拡張する、という資本の継続的な自己増殖が起こります。
それによって資本はより多くの余剰価値を生産し、資本家はより労働力を搾取していく。
そんな産業革命以降の資本家と労働階級の現状を見たマルクスがこの資本主義を分析、批判する目的で書いたのがこの『資本論』です。
もともと共産主義・社会主義を広めると言うよりも、資本主義を細かく分析していった結果が共産主義・社会主義につながったという風に私は理解しました。
・『資本論』がソ連を作った?
さて、そんなマルクスが著した『資本論』ですが、20世紀の第一次世界大戦後の世界にとても大きな影響を及ぼします。
1917年、ロシア帝国で革命が起き、指導者レーニンをトップとするソビエト連邦社会主義共和国(ソ連)が誕生しました。
次第にジョージア、アゼルバイジャン、ウクライナなどを取り込んでいき拡大したソ連は社会主義を掲げ、資本主義の西欧と対峙していくことになります。
ソ連はマルクスの『資本論』によって作られた世界初の社会主義国家で、のちにマルクス・レーニン主義を呼ばれる政治思想を掲げます。
労働階級の政治独裁、そして社会主義の拡散などを掲げ、世界各地での社会主義国家の支援をしていきます。
東ドイツ、ポーランド、チェコスロバキアなどの東欧諸国、中華人民共和国、北朝鮮、北ベトナムやキューバなど20世紀半ばの冷戦期には多くの社会主義国家が誕生しました。
ソ連は社会主義のもと、私有財産を禁止し計画経済を実行しました。
財産や農産物などのすべてのものは国が管理、資本の占有などを否定し、全員で豊かになろうという壮大な思想だったのですが、この体制がもたらしたのは経済の停滞と飢饉でした。
・結果としては壮大な社会実験となったソ連
人々は農業で努力することをやめました。
働かなくてもご飯を食べられるのですから。
工業でよりよいものを作ろうとする努力をやめました。
いいものを作っても何の得にもならないのですから。
ソ連の誕生と崩壊は壮大な社会実験と例えられます。
マルクスが掲げた理想は社会主義という形では、なしえなかったのです。
しかし、ソ連の崩壊後も資本主義vs共産主義の構造はさまざまな形で露見しています。
ロシアのウクライナ侵攻も、欧米諸国とのいざこざがもとになっており、今後世界の対立が激化することが予想されます。。
この先のことを予想できるほどの知見はないのですが、あまりいい雰囲気ではないですよね。
・まとめ
こうして20世紀の世界に大きな影響を及ぼした『資本論』。
1人の思想家の考えがこれほどの力を持つ例はないのではないかと思います。
拙い説明でしたが、これで少しでも『資本論』に興味を持っていただけたらと思います。
ありがとうございました。
Grazie mille e alla prossima volta!
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