九州旅行記 ⑥ (熊本→鹿児島中央)
鹿児島本線
2022年3月14日の朝7時頃、熊本駅で列車を待つ。
山口でも見かけたキハ40系と同系列の車両が。三角線に直通する列車らしい。乗車予定だった列車が来るまではまだ時間があるので、この列車で三角線と鹿児島本線の分岐駅である宇土駅まで向かうことにした。
毎回外見でワクワクして乗り込んでしまうが、座席の乗り心地は良くないと思う。それは古いので仕方ないにしても、列車のボックス席は何故こんなにも狭いのだろうか。客の少ないローカル線ならまだしも、熊本のような都市の近郊区間でしかも朝だと乗客が多いのでボックス席には座りにくい。
7:37 宇土駅に到着。列車はこの先三角線に入ってしまうのでここで下車。熊本の高校に通っているであろう学生が多かった。
宇土駅から本来乗る予定だった列車に乗り、8:15 新八代駅で下車。今日は鹿児島に向かう予定だが、JR鹿児島本線はこの新八代駅の次の八代駅で一旦途切れており、肥薩おれんじ鉄道となっている。
肥薩おれんじ鉄道を通る切符は作れないので、この区間は九州新幹線を経由するように切符を作った。
新たに乗車券を買うことで肥薩おれんじ鉄道に乗ってもいいが、新八代ー川内の料金は2,670円なのに対して、九州新幹線の指定席特急料金は2,290円。乗車時間は約5倍も変わってくるので、大人しく新幹線に乗ることにした。
ここまでつばさ・サンライズ出雲・やくも・スーパーおき・ソニック・ゆふいんの森・九州横断特急と乗車してきたが、この旅最後の優等列車である。
猛スピードでトンネル群を走り抜け、あっという間に9:21 川内(せんだい)駅到着。川内(かわうち)駅は仙台(せんだい)にもあるので違和感が凄い。
沼田町の石狩沼田駅・竹田市の筑後竹田駅など、市町村名に旧国名を冠した駅は多いが、この駅はその逆で駅名が川内、所在地は旧国名を冠した薩摩川内市となっている。Wikipediaによると市名に関しては平成の大合併の時の複雑な事情があるようだ。
川内からは再び鹿児島本線となる。駅名標は当駅が起点のような表記になっている。
鹿児島到着
そして在来線列車に50分ほど揺られ、10:44 鹿児島中央駅に到着。鹿児島はかなり暖かく、薄着の人が多い。コートを着ているのは私くらいだ。
ホテルに荷物を預けて昼食へ。鹿児島といえば黒豚なのでとんかつを食べることにした。向かったのは鹿児島の有名とんかつ店の丸一。ビルの地下一階と目立たない立地だが、開店前から行列ができていた。
なんとか一巡目に入店。とんかつを揚げている店主は職人気質な感じで、店員のおばさん達は忙しそうで表情が暗く店内には緊張感があるように感じた。
ロースカツを注文したが、自分で雑に作ったとんかつのように肉が硬くてビックリした。肉が柔らかく美味しいと高評価が多いだけに残念だった。申し訳ないけど全国どこにでもあるとんかつ店のさぼてんの方が美味しい。
仙厳園
硬いとんかつで腹を満たしたところで、鹿児島の有名な庭園である仙巌園に向かうため市内の観光バス・カゴヒマシティービューに乗車。
鹿児島の繁華街・天文館のバス乗り場には沢山人がいたので中央駅まで引き返して乗車したが、結局このバスの乗客は少ししかいなかった。
バスに40分ほど乗車し、仙巌園に到着。観光スポットを通るように遠回りに運行しているのに加えて単純に中央駅から遠いので時間がかかる。
桜島を借景した庭園は素晴らしい。仙巌園はただの日本庭園ではなく薩摩藩・島津家に関する博物館的な側面も持っており、在りし日の薩摩藩について知ることができる。
仙巌園のすぐそばを国道10号・日豊本線が通っている。列車が通れば良い写真が撮れそうだ。
市街散策
一通り見た後は再びバスに乗り鹿児島市街へ戻る。
照國神社に行ってみようと街中を歩いていると国道10号・3号の終点の碑を発見。実は私は2021年の年末に国道4号・7号走破の旅を実行しており、主要国道走破に興味を持ち始めたので再びここを訪れることになるかもしれない。
国道終点の碑から歩いてすぐ、照國神社に到着。島津家第28代当主の島津斉彬公を祀っている神社らしい。写真を撮り忘れたが正面には超巨大な鳥居が建っていた。
御朱印を頂いた後は天文館に引き返す。この日は16時から大学の研究室配属の発表があったのでそれまで店に入ってゆっくりすることにした。
鹿児島ではしろくまと呼ばれるかき氷が有名らしい。サイズはレギュラーとベビーがあったが、大人はレギュラーサイズを頼まなければいけないと勝手に勘違いしてレギュラーで頼んでしまった。
冷たいものを食べるとお腹を壊しやすいので、ゆっくり食べながら配属発表を待つ。
しかしいくら待っても発表のメールは届かず、店に長居するのも悪いので一度ホテルに帰ることにした。
城山展望台
ホテルで休憩した後は夜景を見るために城山展望台に向かう。鹿児島市電は軌道が芝生で緑化されているのが良い。
照國神社の裏側に展望台へ登る階段があるのでそこから登る。本当はバスで行けるのだが、もう今日の運行が終わってしまっていると勘違いして無駄な労力を費やしてしまった。
もう日が暮れかけていたので焦ったが、なんとか展望台に到着した。観光客は何人か来ていたが、完全に暗くなるのを待たずして帰ってしまう人が多かった。
展望台で景色を眺めながらぼーっとしていると配属発表がようやく為された様で、自分で確認する前に友人におめでとうとネタバラシを食らってしまった。何はともあれ無事志望通りに研究室が決まって良かった。
さらに待っていると段々と街に明かりが灯ってきた。完全に暗くなるにはもう少し時間がかかりそうだが、19:20に店を予約していたので名残惜しいが下山する。
道は整備されているものの、人通りの皆無な山道の為怖い。道中、道を横切る狸?を二匹発見。
薩摩料理
やってきたのは薩摩料理の居酒屋である熊襲亭。今回の旅行で最も奮発した所だ。
コースを予約しておいたので丁度良いタイミングでどんどん料理が運ばれてくる。
お酒は奄美群島でのみ作られている黒糖焼酎を注文。黒糖の味がする、というわけではないが香りが良く飲みやすかった。
きびなごの刺身は初めて見たが、身が輝いていて綺麗だった。味は私のバカ舌ではよく分からなかった。
黒豚のとんこつはよく煮込まれていてとても柔らかく美味しかった。酒寿司はその名の通り酒を用いて発酵させたちらし寿司で、不思議な甘みがあった。
その他にもさつま揚げや鹿児島の地鶏など、薩摩料理を十分に堪能することが出来た。非常に満足だが、やはり大学生が入るような雰囲気の店ではなく終始緊張してしまった。こういった店が似合う余裕のある大人になりたいものである。
それにしても天文館は想像以上に賑わっている。個人的には仙台の国分町/一番町よりも栄えている。
この後は市電で中央駅に行きホテルに戻った。
7日目に続く・・・
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