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漢方妊婦〜around 40 鍼灸師の妊娠記録 6週

5週に入り陽性を確認。
そのまま特に体調に変化のないまま6週も3日過ぎる。
相変わらずの倦怠感は続くものの、吐き気や嗅覚の変化はなし。
それはそれで助かるのだけど一抹の不安ももたげる。
上の子二人の時のつわりは壮絶で、特に長女の時は食べたものは即座に吐く、を繰り返した結果、病院で半日入院、点滴を受ける事態にまで悪化した。
それに比べて前回の妊娠は拍子抜けするほどつわりが軽く、6週の終わりでなんとなく胃がムカムカするような感じが始まったものの、二週間もすると治ってしまった。
今回は軽くて助かったわ、と呑気に構えていたのだけど、実際は稽留流産で8週ごろに体もようやく異変を察し、つわり諸々の妊娠症状がなくなっていってたのだった。

必ずしもそうとは言えないと分かっていても、つわりがない、軽いと流産の可能性があるのではないかと考えずにはいられない。
日本にいようと同じことだけど、カナダでは超音波検査、というより妊婦検診の回数と頻度が日本に比べて極端に少ないので確認する手立てがなく、不安が募るばかり。

6週4日。
毎朝今日も普通だな・・・と起き上がっていたのが、この日は胃に不快感が。
前日に食べた中華の焼豚がやたら脂っぽかったのがもたれの原因かもしれない、そう思って朝ご飯を抜いて消化を待つ。
元来胃腸は丈夫な方なので、半日でも断食すれば元通り、食欲も復帰するはずだった。
それがこの日を境に恒常的な胃のムカつきが治らない。
肉、特に生肉の匂いや見た目だけで気持ちが悪くなる。焼豚のせいか、と思ったけど一日たっても無理。
そのほか妊娠が発覚してからもディカフで飲んでいたくらい大好きだったコーヒー、ノンアルをわざわざ買ってやめられなかった酒風飲料もダメ。
むしろトマトが食べたい。
この突然の嗜好の変化は間違いなくつわりだろう。

前回の妊娠のような吐きづわりではなく、今回は食べづわりの様相。
量は全然食べられないのに気持ち悪くなっては食べて一瞬治る、を1時間ごとに繰り返す。
昨日まで大丈夫だった食べ物を受け付けなくなり、作り置いていた惣菜や冷蔵庫の中の生鮮野菜たちに手をつけられない。

以前の妊娠では辛いものがやたら食べたかったけど今回はむしろ酸っぱいものを欲す。
お酢たっぷりのサラダや意外とフムスもいける。
とにかく肉がダメで、豚骨やチキンベースのスープも気持ちが悪くなる。

つわり対策で間違いなく一番効果的なのは寝ること。
1日何の制約もなく寝ていられるのならそれが一番、だけども当然そうはいかない。
初期の妊婦の辛いところは誰にも言えないし、薬にも頼れないこと。

有名なつわり対策のツボとして、手首から指3本分下にある内関というツボがある。
かなり効果を期待してツボシールを貼ってみたのだげど、全く変化なし。
そこでシールではなくて実際に施鍼してみた。

より効果的なコンビネーションとして

右の内関
左の足三里
上院
(あくまでマイルドなつわりに対する治療。激しい嘔吐がある場合は足三里に変わり豊隆をセレクト)

すると差した途端、すーっと胃のムカつきが治って楽になる。
この即効性に感動したものの、鍼を抜いてからすぐ不快感が戻ってきた。
なんだ全然持続しないじゃん・・・とまたがっかり。
その後少しでもリラックスしたいと湯船につかったのが間違いで、恐ろしく気持ち悪くなり就寝。

そころが翌朝。
胃の辺りの不快感がない。
相変わらず疲れているもののよく眠れたし、久しぶりにスッキリとした気分。
これは前日の鍼効果?それとも単につわりには波がある、というだけのことなのか。
とにかく毎日続けてみることにした。

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