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物語「星のシナリオ」 -22-

「大丈夫、この程度なら命に影響はないから」

「ありがとう。きみが気づいてくれて良かった。少し必死になり過ぎて周りが
見えていなかったよ」

「しばらくはここで休んでいくといい。今また戻ったら、今度は命が危ない。
まずそのエネルギーを修復しないと」

薄暗い小さな小屋。ボクの目の前の男の人は、グッタリと横たわってる。でも、どこも傷ついている様子もないけれど。確かにボクが助けている感じだった。

ボク…?

「あっ」

「おーどうした飛び起きて。ちょうど着いたよ」

「あ…先生」

しばらく状況をつかむのに時間が必要だった。
そうだ、ボクは先生に治療をしてもらった後に、車で送ってもらってるところ
だった。その途中で眠ってしまって夢を見てた。

夢?あれ?

「今ボク眠ってたよね」

「ああ」

「夢を見てたみたいなんだけどさ」

次の言葉を発する前にボクは、先生の顔をじっと見た。

「その夢にさ、多分だけど、先生が出てきたんだ。あ、でもそれは先生だけど
先生じゃない人で…」

「ははは。なんだいそれ。でも、興味深いね。二人で何をしてた?」

「そこでは、先生みたいな人がグッタリとしていて、ボクが先生を助けている
みたいだったよ」

「薄暗い小さな小屋で、だったかな」

「え?」

「そこではきみに助けてもらったおかげで、命に影響はなかった」

「う、うん。でも、今戻ったら命が危険だ」

「ああ。本当にきみの言う通りだった。もう少し自分を過信せずにアドバイスを聞いておくべきだった」

次の瞬間、ボクの脳裏に浮かんだのは、グッタリと、そして目を閉じている先生らしき人を前に泣いているボクの姿だった。

「これは夢?」

「過去世の記憶とでも言おうか。さあ着いた。続きは中でゆっくり話そう」

「あーまたへんな世界にでも入り込んじゃったのか?」

おばあちゃんの家の玄関で、シロがボクをじっと見ていた。


つづく


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