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体性感覚と姿勢制御

インストラクターだけに関わらず、セラピストにとっても運動や治療の目的として「感覚入力を図る」 というケースは非常に多いはずです。

もちろん、すべての姿勢や動作には常に環境や身体の状況の変化に伴う感覚情報の変化が生じているわけですので、意識せずとも(意図せずとも)「全てのアプローチが感覚入力を伴っている」ことは間違いないことです。


この感覚情報は主に「体性感覚・視覚・前庭覚」を指し、この感覚情報を頼りに複雑な神経調節がされ、脳で統合した結果、運動器を受動的、能動的に制御することで私たちの姿勢は保たれています。

つまり

感覚統合の不一致≒姿勢や動作不良を強いられることとなります。

臨床上、散見されるのが、「指導者が求めた姿勢と、クライアントが自覚的感覚で表現する姿勢が一致しない」というケース。

これはまさに感覚統合の不一致によるものが疑われ、イメージ通りの姿勢を随意的に表現することができない状態です。

なぜ感覚統合の不一致が生じているのか?

多様な要因がありますが、やはり大体数を占めるものは「生活で繰り返される習慣的要素」でしょう。

日常的な感覚的刺激が乏しいため、脳は上手く体を保つことができません。結果として体は防御反応を起こし緊張状態を強いられます。

感覚とは

感覚」とは光、音、機械的・化学的刺激など、 生体に入力された最も単純な要素的刺激を主観的に認める働きをいい、生理学的には感覚受容器からの情報が大脳皮質の第一次知覚中枢に投射されるまでの過程のことを言います。


その強度や質・時間的経過の識別をする働きが「知覚」であり、生理学的には第一次知覚中枢から第二次知覚中枢(連合中枢)への連結がおこる過程を指します。

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