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ある一つの真実

みんな、とっくに気がついているかも知れないが、どうやら、この世は自分1人の世界っぽい。

どういうことかと言うと、自分の物語の主人公は、もちろん自分であり、それぞれ、みんな自分の物語の中で主人公として生きている。

当たり前の事で、いまさら何を、と思うだろうけど、意識できている人って多くない気がしている。

例えて言うと、自分が主人公の小説がある。あなただけの小説で世界で、たった一つのみ存在し、他の人は読むことができない。読むことができないと言うより、読んだところで理解できない。

そして、みんながみんな、個人の小説を持っていて、共有している人物や出来事があったりするけど、設定そのものは、全く違うもの。

同じに様に見えて微妙に違う。名前や容姿や声、設定も何から何まで同じだとしても違う人物なのである。

あなたも他の人の小説に登場したりするけど、それは、「あなた」みたいな「あなた」。あなたの小説の主人公の「あなた」では無い。

あなたが接する人の数だけ複数のあなたが存在しているという事。そして、あなたの小説以外のあなたは、誰かの脇役でしかない。

このことに気がついた最初のきっかけは僕自身が過去、辿ってきた物語と、他の人が思っている僕とでは、認識が全然違っていることだった。

例えば、僕は小学校、中学校と目立たずひっそりと生きてきた隠キャの地味キャラだった。これは僕が体験して来たことだから、嘘偽りの無いこと。しかし、ある人の記憶の中での僕は、目立ちたがりやのイキッたクソガキとして登場している。

ある人の中での僕は、こういう人で、ある人の中での僕は、ああいう人。人の数だけ自分が存在している。

他にも「あなたらしい、あなたらしくない」「こういう人間だから」とか色々と言われる機会もあるけど、「え?全然違いますけど?」ってなる場面がある。(たまに当たっていることもあるが)

もう少し、この「小説」について掘り下げてみる。

あなたは、当然、誰かの物語の主人公にはなれないし、仮にその人物と入れ変わったとしても、その人の思考を100%知ることも理解することも絶対にできないので、その人の世界を見ることはできない。これが、他の人が読むことができないと言った理由。

こんな事を言うと、「じゃあ世界には自分1人しか存在していない孤独な世界なんだ」と思うかもしれないけど、それもちょっと違う。

確かに1人づつ自分の小説を持ち、その中で主人公として生きているが、他の人が持つ小説と干渉しながら物語が進む。そして任意で繋がる事も可能。わかりやすい例えだと、小説なんだけど、これは、紙媒体の本みたいなものじゃなくて、スマホ端末の中の小説で携帯小説みたいなもの。

まずは、初期設定で設定された人が登場し予め用意されたシナリオを進む。

物語が進むにつれLINEとかFacebookみたいなアプリで友達が繋がる様に、会った人と繋がる事ができて、それぞれの端末(小説)でお互いを相互フォローする事で、一緒の物語を共有することができる。

そして、オンラインでも繋がる事ができる。誰とも繋がりたくない人はオフラインで完全孤独に生きる事も可能。

ただし、オフラインで誰とも繋がらない人は、当然、数々のドラマも何も生まれない。あらかじめ用意されたシナリオに従うだけで自分だけの世界で生きる事になる。

自分にとって都合よく解釈し、虚言を吐き、自分を偽り過去も何もかも嘘の事実で塗り固めている人は、完全にオフライン状態と言えるだろう。

こういった人も最後の最後までオフライン状態で生き続ける事ができたら幸せかもしれないが、オンラインに繋がった瞬間にきっと、後悔するだろう。

なぜなら、オンラインで繋がった瞬間に自分が勝手に作り上げた虚像の自分が一気に現実の自分に切り替わってしまうからだ。

自分の小説の主人公は自分だけで色んなシナリオの進め方がある。

自分を偽り、都合よく解釈して生きることもできるし、他の人と繋がって沢山のシナリオをこなしていくことも選べる。

当然ながら、より多くの人と繋がっている方が、より沢山のイベントに恵まれ、多くのドラマを産むのは明らか。

どんな選択をして自分の物語を進めていくかは自由だけど、自分の小説の存在を忘れて、他人の小説に登場する「自分」を「自分」だと勘違いしてしまわないように、自分の小説の存在を常に意識して物語を進めて欲しいと思う。


















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