静かに、ずしんと胸にくる ~ネヴィル・シュート『渚にて 人類最後の日』
確実に近づいてくる「その日」に向けて、ひとりひとりがどう生きるのか。その姿を淡々と、オーストラリアの美しい情景とともに描きながら、放射能によって地上の動物を死滅させる(ことができる科学力を持ってしまった)人類の罪を問う名作です。
ネヴィル・シュート『渚にて 人類最後の日』(佐藤龍雄・訳 東京創元社)
1957年に書かれた作品で、1959年にはグレゴリー・ペック主演で映画化もされました。日本でも何度か翻訳が出版されてきましたが、私は2009年に新訳で出た、上記の【新版】