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SHINKUKAN podcast #66 スペシャルゲスト「starRo」Part1

配信日:2022/08/19

 おはようございます。音楽プロデューサー、世界のミュージックアワードを研究しているWELCOMEMANです。
 この番組は、世界の音楽ビジネスニュースや世界のミュージックアワードに関連するアーティストや楽曲を紹介しつつ、日本の素晴らしい音楽もお届けしていきます。
 世界と日本の架け橋となる音楽情報発信基地になることを目的としております。番組の最後にはSHINKUKANパワープッシュサウンドも紹介しますので、最後までお楽しみに。
 今回はスペシャルゲストをお招きしてトークセッションを繰り広げております。  日本のアーティストを世界へ発信するためにはまずリスナーの皆さんに日本の素晴らしいアーティストを知ってほしいということでウェルカムマン独自の角度で僕自身が知りたいことをズバリ伺っております。
 今回のスペシャルゲストは、グラミー賞ノミネートもされた経験もお持ちの日本を代表する音楽プロデューサーDJトラックメーカーのstarRoさんです。
 starRoというのは僕も気が引けます。大先輩でもう本当にリスペクトしてます。
 改めてもう一度言いましょう。今回のゲストstarRoの楽曲を聞いていただければと思います。

WELCOMEMAN:さあお送りしたのはstarRoで「Do You Still Want Me」でした。改めまして本日のスペシャルゲストstarRoさんです。よろしく願いします。僕がファンでございまして、楽曲を聴かせていただきつつもオンラインでお会いさせていただいて、その後に僕が熱望して直接お会いさせていただいて、僕が音楽がこう思ってるんですよみたいなことをですね、失礼ながらお話させてもらったら、starRoさんのいろんなアドバイスをいただいて僕は非常に感銘を受けて、今回ゲストでお越しいただいてるという状況でございます。
 いろんなところからお話を伺いたいんですけども、まずは今回ポッドキャストではじめてstarRoさんのことを知ったリスナーもいらっしゃると思いますので、starRoさんの今までの活動の経歴、どういうふうに今やられてるかっていうのを教えていただいてもいいでしょうか?

starRo :starRoっていうのは、元々はトラックメイカーからとして始まっておりまして、その延長上で、今はシンガーさんとか、ラッパーさんとか、いわゆるアーティストさんでやってる方の楽曲提供とかプロデュースをやったり、それからリミックスっていう、原曲をアレンジを変えたりとかするようなことを基本的には今やっていまして、いわゆるstarRoっていう名前でやりだしたのは大体2年ぐらい前かな。
その前はずっとサラリーマンで、ただ趣味でやってただけなんで。そういう意味で言うと本当に音楽活動みたいな感じでやったのは2012,2013年ぐらいです。

WELCOMEMAN:そのときはあれですよね、海外の方でstarRoさんのお名前で、いわゆるSoundCloudに上げながら、リミックスしていったような流れですかね。

starRo:そうですね。SoundCloudがちょうど2010年ぐらいに出始めて、いわゆる、何て言うのかなその前まではそれこそレーベルとかに契約しないと、みんなに聞いてもらうっていう状況さえなかったし。

WELCOMEMAN:そうですね。

starRo:だからそれがもう別に自分が勝手にそこにアップロードするだけで一応誰かが聞いてくれるっていう可能性だけはそこに入ってくるので、そういう意味では、何かこれをレーベル、このレーベルはこういうのがいいんじゃないかみたいなことを考えずに、本当に自分が作りたいものをもう自分はそもそももうそのときも30代半ばとかだったので契約するというのはほとんど諦めてんですよね。
 基本的には自分で勝手に作りたいものを聴きたいものをたまに作れるときに作ってるだけなんですけど、それをただどんどんこう出していったっていうのが最初だったんですよ。でもそういう意味では段々とみんなに聞いてもらうようになってくると、何かリミックスっていう方が、いわゆるみんながリレートしやすいじゃないですけど何か元ネタがあってそれがこんなふうに変わるんだみたいなところでみんなにもうちょっと自分のやってるような音楽がインストだと本当にもうただの絵画っていうか、本当に人によりけりなっちゃうじゃないですか。これ何が良いか本当にわかんないみたいなるほどぐらいの世界だから。
 でもリミックスってなったら何かをテーマに、例えばクマをこの人は書くとこうなるみたいな、より一般的な人もリレートできる。
 多分そういうのがなんとなくあったのかなと思うんですよね。自分もリミックスっていうの初めてやったんですよ。自分にも何か合ってるというか楽しいと思って。
 だからリミックスをどんどんやり始めて出し始めて要はリミックスはだから元々ネタがあるわけだから、本来は著作権とかってあれなんだけどそのSoundCloudってのは、当時ある意味、同人界っていうかオタクの集まりみたいな感じだったんで、だから別に著作権とか誰か言ってくるわけではなくて、本当に自由にヒップホップ系のそういうサンプリングとか全部もう気にしないで使ってみんながそういう自由に使って作った人が集まっているところだった。


WELCOMEMAN:なるほど、SoundCloudは日本ではなかなか大きなカルチャーにはならなかったとは思うんですけど、やっぱり海外で活動されたときは、SoundCloudの波ってやっぱ全然違いましたか。

starRo:だから波というか、何ていうのかな、結局何かそのムーブメントかリアルかどうかって本当にそれが必要性があって出てきたのかどうかだと思うんすね。だからヒップホップとかも本当に必要性があったからその人たちの生活の中に。何かそうやってかっこいいもん作ろうとか、何かそういうふうなものじゃなくて、本当に自分たちが今生活の中で苦しいけど、唯一楽しめるものみたいなので、でも時間も友達も別にないしとか、なかなか遊ぶ時間もないしとかそういう本当に必要にかられてできていくものじゃないですか。
だからそういった意味で言うと、自分にとってのSoundCloudっていう現象は自分もその中に結局いたんですけど、いや、本当にそれまではさっき言ったように契約とか誰かとしないとリリースできないので。
 もうその時点で、僕みたいに何かただそこに本当に作りたいもの作りたいって思っていてそれがあわよくば誰かと感覚が一緒で気に入ってもらえたらいいなぐらいの、そもそもやってる人とかは、人に聴かせるチャンス元々なかったじゃん。
 だからそれがそもそも与えられるっていうみんなにとって当たり前かもしれないけど、自分にとっては本当にすごい画期的なことなんですよ。それが例えば今の一般的な年齢だったら35となったらもう完全に終わったと思うじゃないすか。

 自分も結婚してたし、3人子供いたから、完全に自分の人生はローン組んで、ずっとこの会社の社長になれるかなとか評価や成功するカードと考え、考えながら生きていたけどでも何かそれ本当にやりたくて、もちろんやってるわけじゃなくて、自分は今の生きてるこの人生で自分のやってる音楽は多分そういう、何て言うのかな、みんなにそういうビヨンセとかそういうレベルですけどもね、極端に言ったら、そういう音楽じゃないから別にそれはそういう運命だったって別に受け入れただけなんですけど、それがSoundCloudが出てきて、作品を出してたら自分みたいな奴がいっぱいいたんすよ。例えばもう35になっちゃったとかいう奴もいるし、若いけどすごい口下手で内向的な人であったり。
 そういう人たちはそれまでは契約に至るとこまで全然行けないわけだから、そうやって結構早い段階から芽を摘まれちゃっている。その影のプロデュースってなんとなくトラックメイカーとかあと超音楽好きでオタクみたいな人とかはまず結構差がそういう意味では水面下にずっと隠れてたっていうか、かつCDの時代が丁度その時は終わったんですよ。
 だからそうすると、そもそもみんなの目指してたキャリアパスみたいな急に崩れたりするわけじゃないですか。だからある意味自分が目指してるとこも崩れちゃったからそういう意味ではざまあみろとおもっている人もいるかもしれないけど、自分はとにかく関係ない世界だから勝手に崩れたみたい考えてて、でもその分、もうすごいカオスになるわけです。
 そんな中どうやってこの先マネタイズしたらいいかわかんないけどレコード会社の人もそうだし、もちろん僕達みたいな末端の人たちは余計わからない。だから毎日、自分が大好きな音楽を日々作っていってやり続けている人が逆にそういうときは強いんですよね。
 そういう意味では関係なかったから、ただ作り続けて逆にそういうタイミングでそのSoundCloudみたいなやつがその重宝されるじゃないですか。だからたまたま自分たちみたいな人が発表する場を与えられて、勢いがその瞬間出てきたっていうだけの話で誰かがSoundCloudを盛り上げようとかいうことではなくて、そういうムーブメントの中に人たちが集まってきて。

WELCOMEMAN:ローカルで音楽大好きな人がそこで繋がっていくっていう現象がすごいスピード感で行われていたってことですよね。

 starRo:以前のアーティストだったら、まずレーベルの人に気に入らないといけないから、実際は自分たちのレ-ベルの人のために曲作ってるわけです。それが逆に崩れるのでレーベルの人に作ったり、リスナーのために作るみたいな感じでみんな思ってるけど、SoundCloudで実際にやってると自分の曲をどういう人が人が聴いてんのかなとか、どういう人がコメントしてくれるのかなって見てみるともうそもそもリスナーとアーティストの垣根もないんですよね。
 単純に音楽が大好きで、大好きすぎて作っちゃってる人もいるし、作れてないけども作りたいぐらいなんかもうすごいなどのそれぐらい作ってる人たちのことを掘ってたりっていうぐらいに、本当に音楽が好きな人たちがただそこに集まってて、その人たちが好きなような音楽は今までレーベルなどの網ではちょっと引っかかってなかったようなものがここにあったんですよ。
 その一つはもちろん感性的なものもあるけど、もう一つはさっき言ったように、そもそもそういうサンプリングとか、そういうもうその時代の結構メインになりつつある音楽っていうか、それまでの音楽の業界の形では完全にサポートできない環境だったってことですね。
 ヒップホップだってそうだし、でも僕らみたいに、そういうリミックスしたいけど元ネタに別にお金払わない人とかは、SoundCloudでリスナーを与えられて自由に表現できたってことと本当に人と繋がれたっていう体験ですよね。それは本当にすごく貴重だったからそれがなかったら自分は本当にもう一生自分が作るの音楽っていうのはもう家族と親友数人がすげえなって言ってくれたらありがとうって思ってその幸せで生きていけるだけっていうだけに本当に終わっただけなんですけどね。

WELCOMEMAN:なるほど。僕はZ世代の方とかは逆にstarRoさんがおっしゃってることって割と日常になっていて、アーティストとリスナーの垣根がないとかは、若い世代の方たちは肌感で感じてて普通になってる子も結構多いと思うんですね。
 ただ僕はレコード会社で働いてた時期もあるので、CD営業とかいっぱいしてたのもあるので言います。
 starRoさんがおっしゃってたこの歴史的タイミング、デジタルがどんどん促進していって、ローカルの人たちが日の目を浴びていくっていうステージがSoundCloudにあったっていうのは、もうすごい衝撃的なことだなってすごい思うんですけど、Z世代の方たちからすると、ここってなかなか「それって普通の出来事なんじゃないのかな」って思う節もあるのかなってちょっと思ったりしたんですけど。

staRo:そうですね。でもまたSoundCloudのときと今何かそれに似たような何か動きというものはまたちょっと違うんですよね。
 いわゆる音楽ビジネスっていう意味で言ったら、2010年のCDの崩壊というのは結構、かなりの大きなビッグバンとは言わないけど、でもかなり大きかったと思うんですよ。
 ただ、ディストリビューションに使うためのメディアが変わりましたってだけじゃなくって、本当にいろんな考え方が変わった。音楽に対する価値の認識も変わった。
 今になってから思うのは、みんなそもそも音楽とはなんぞやっていうところで、みんなの言っている音楽っていうのは、録音物なんですよね。僕もそうだけど、僕らの時代は音楽の原体験みたいなものはほとんどレコードとかそういう録音されたものを再生したものが最初の遭遇だからそこが原点になってるんですよね。
 例えば僕ぐらいの世代だとレコードももちろん普及してるけど、やっぱり、元々レコードがなくて目の前で誰かが演奏しないと音楽が聞けなかったっていう時代も、その時代に生きてた人も普通に周りにいるし、その環境の中にそれが取り込まれてるじゃない、そういう感覚っていうか、だけど例えばZ世代とかになっちゃうと、その自分たちがライブ音楽っていうのがそもそも音楽だよみたいなことを伝えてくれてた世代にあたるものが今の自分たちの世代なんですよ。
 自分たちの世代は録音物が原体験だから、この若い人たちは録音物のベースにした音楽みたいなもうリミックスリミックスみたいな感じになっちゃう。
 そうすると最初の音楽だと思ってたものはどんどん忘れられていくじゃないですか、形骸化していくし、だから音楽もそういうことが起きていて、2010年結局、そういう意味でCDっていう中に入って、入ってることによって物に対しては、経済的な価値は認識できるけど、こういう音楽みたいなものは本当にどんな価値があるかというのは考えたことなかったんですよ。
 でもそれがこうやって引きはがされて、音楽っていうものがコンテンツだけになったときに、今みたいに自分はこれは録音物なんだよっていうのをそのときにわかってれば別かもしれないけど、その時はみんなそういうふうには考えてないから例えば自分みたいに作った人は一生懸命作って、今まで指示に入ってただけじゃないですかと思うけど、でも、別の立場の人はいやこれは録音物じゃん、録音物ってことは、オリジナルのものじゃないしっていうことはエクセルとかワードと違うなと同じじゃんみたいなふうに思っちゃう人もいっぱいいるし、それは社会の環境などの見方が変わるじゃないですか。
 だからそうやって音楽っていうのはなんぞや、あとあるいは音楽的なものはなんぞやっていうことをみんな逆に言うと考えないでずっとなんとなくフワッとその辺をさせてなんとなくお金にこうするように何か絶妙なバランスで保ってて、でもそれは時代とともに何か崩れたりとかすると音楽みたいなものが一瞬、本当に価値がなくなっちゃったりとかするんですよ。


話はどんどん深くなっていき、Part2に続きます。Part2ではweb3やNFTに関してstarRoさんの考えやstarRoさん音楽の原体験について、マインドセットについてお話しいただいています。

Part2はこちらから

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