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建築を歩く #2──外苑前|新建築マップ連動企画

新建築.ONLINE編集部

「新建築マップ」を手に街を歩き、レポートする連載。第2回は、東京・外苑前周辺を散策しました。皆さんもぜひ、「新建築マップ」を旅行や出張の際の事前リサーチ、近場の新しい発見などに役立ててください!(編)
*新建築マップには雑誌上で既に住所が公開されている(許諾を得ている)作品の位置情報のみを掲載しており、個人住宅などは表示されません。

今回歩いたルート。

新建築マップを手に街を歩き、建築を見つめる本企画。第2回は外苑前を歩きました。地下鉄外苑前駅より神宮球場へ出ると、「NTT青山ビル」(『新建築』0503)の低層部に設置されたFRPグレーチングの屋根に迎えられます。屋根が落とす市松状の陰影が、気分を高めてくれます。

1:「NTT青山ビル」低層部にもうれたけらFRPグレーチングの屋根。

そのまま北方面へ進むと、東京ヤクルトスワローズのグッズショップが目に入ります。ショップが面する、明治神宮野球場から国道246号(青山通り)へ伸びる道路はスタジアム通りと名付けられ、国立競技場などを擁する日本のスポーツの中心地としての神宮外苑の歴史を、早速感じさせます。

2:「NTT青山ビル」よりスタジアム通りを見る。左手は東京ヤクルトスワローズのグッズショップ。

対面には、「GSH(シュガービル)」(『新建築』0610)が現れます。細い間口の鉄板ファサードに、ランダムに穿たれた円形の開口が、街歩きにリズムを与えてくれる気がします。

3:東よりGSH(シュガービル)を見る。ファサードには円形の開口がランダムに穿たれている。

そのまま歩みを進めると、青山通りへと突き当たります。片側3車線の大幅員に、次から次へと車が行き交い、沿道には大規模なオフィスや店舗が立ち並ぶ、まさに「東京」を象徴するような通りです。
通りへ出て、早速目に飛び込むのは、「フォーラムビルディング」(『新建築』1103)と「青山タワービル」(『新建築』7006)です。いずれも1階部分がピロティとして沿道に開かれ、街に奥行きをもたらしています。

4:写真右は「フォーラムビルディング」。その左隣は「青山タワービル」。
5:対面より「フォーラムビルディング」のピロティを見る。

さらに東へ進むと、突如視線が北側へと引き込まれます。そこは「青山OM-SQUARE」(『新建築』0812)。低層部に巨大なヴォイドが穿たれ、敷地奥の中庭・店舗へと、行き交う人々を誘います。

6:青山通りより「青山OM-SQUARE」低層部のヴォイド空間を見る。
7:南東より「青山OM-SQUARE」を見る。

歩道橋より東、赤坂方面を望めば、左手に「伊藤忠商事東京本社ビル」(『新建築』8103)のファサードを望めます。

8:青山通りを赤坂方面に見る。左は「伊藤忠商事東京本社ビル」。

東京を象徴する華やかな大通りから路地へ入れば一点、親密なスケールを楽しめます。カッシーナ・イクスシー本社のある角地を曲がると、ビンテージマンションや小規模オフィスビルの立ち並ぶ通りへ移ります。

9:青山通りから路地へ入れば、親密なスケールを楽しめる。

さらに路地を入れば、3階建て輸入住宅をリノベーションした「新建築社 青山ハウス(新建築書店 | Post Architecture Books)」(『新建築』1607)へと辿り着きます。建築とアートの領域をまたぐ数々のアートブックが楽しめますので、お近くの際はぜひお立ち寄りください。

 10:「新建築社 青山ハウス」(新建築書店 | Post Architecture Books)。

大規模なビルが立ち並ぶ街並みも、いざ実際に歩けば、個々の建築に施された都市へと接続する工夫によって、陰影や奥行きが織り成されていることに気が付きます。建築に着目して街を歩けば、抽象的な総体としての都市を、自分なりの解像度でとらえられるようになるのだと実感しました。

「新建築マップ」ベータテスト版は2023年12月末まで無償公開しています!
ご利用を通して様々なご意見をお聞かせいただけますと幸いです。


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