小さな設計事務所がBIMを導入してわかったこと
私が運営している設計事務所、狩野新アトリエは個人事業の小さな設計事務所です。
店舗のリノベーションであったり、オフィス、工場の設計、また、ゼネコンが手掛けるような比較的大きなプロジェクトのBIMサポート業務を行っています。最近では大阪万博海外パビリオンのBIMマネージャーを務めています。
普段使用しているBIMはRevitとArchiCADです。両方使っている人が珍しいのか、両方使えますというと驚かれたりします。
ゼネコンや設計事務所のサポートの仕事も考えると、今のところどちらのBIMも欠かせない存在です。
BIM以外にもSketchUpやRhinoも使いますが、いわゆる2D専門のCADはまったく使わなくなりました。
BIMのコストに関して
私はBIMマネージャーという立場で比較的大きなプロジェクトに関わる関係上、フルスペックのRevitが欠かせません。これは年間40万円ほどかかります。サブスクなので、使っている期間は常にコストがかかります。
ただし、個人の設計事務所が請負う住宅や店舗リノベーションで設備や構造設計をやらないのであればRevitLTやArchiCADsoloといった機能限定のBIMでも十分だと思います。RevitLT だと85800円/年間なので、BIMの利便性を考えるとかなり安いかと思います。
個人の設計事務所であれば、2DCADのJWCADでも業務ができます。しかも無料です。
なのになぜBIMなのか。
BIMのコストを考えても、一度モデルを作ると、すべての図面が連動してくれるなど、あまりにも便利なので手放せない感じです。
部材量やコストなどリアルに情報がわかりとても面白い。干渉チェックなどもBIMの得意分野といえます。
注)モデル情報が連動します。2D機能で加筆した部分は手直しが必要
体感的にはスマホとガラケーくらい違います。
いやまったく別物。
それくらい手放せなくなっています。
そんなBIMですが、チームで使うことより、個人で使う方がハードルが下がります。
多機能なので、チームで運用するにはファイル名やテンプレート設定、運用方法などのルール決めが必須です。それを怠ると、データ構成がわからなくなりトラブルの元になります。
個人だと、まあ好き勝手にできるのでそう言った意味でハードルが下がるなあと。
なので、個人の設計事務所こそ、ぜひBIMを導入して効率あげましょうというお話でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?